The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
パーティーでやるクロッケーでフラミンゴを使うことも不思議だけど、色をつけるって?薔薇の色を変えることよりも変だ。
「やっぱりエースの食べたタルトって寮長の誕生日パーティー用のものだったんですね。だから怒った……と」
「んや?違うよ」
「違うんかい!!じゃあなんのパーティーですか?」
「誰の誕生日でもない日を選んで開催される我が寮伝統のなんでもない日おめでとうのパーティー。寮長の気分次第で誰の誕生日でもない日を選んで開催するティーパーティ!」
開催理由って気分次第なんだ……じゃあ、なんで先輩は盗み食いを見て魔法封じするほど怒ったのかな。退学騒ぎになった新入生に対して怒って理不尽に罰を与えようとする人には見えなかったのに。
「ま、理由は後々!エースちゃんとユウちゃんは魔法が使えないから……はい、コレ」
「ペンキ…」
結構重たいな。渡されたペンキ缶と刷毛を見つめて、微妙な顔になる。結局私たちも手伝うことになるの?
私たちまだ手伝うって言ってない。
先輩のコミュ力の高さで流された気がする。
ケイト先輩の指導の元、私たちは庭中の薔薇を塗り始めた。なんだか場所が場所だからまるでトランプ兵にでもなった気分だ。
妙に既視感を感じる光景に気持ち悪さを感じながら刷毛を動かす。広めの刷毛だと薔薇の小さな花弁が塗りにくい。苦戦しながら一つ一つこなすと隣で手を動かすエースは要領がいいのか、すぐにコツを掴んで塗っていた。
グリムとデュースは論外。
赤に変えないといけないのに。水色やピンクと黄色といろんな色に変えてしまったり、グリムに至っては普段炎の魔法しか使っていないからか薔薇を燃やしてしまった。
これ私たちがやるより、先輩がやった方が早かったのでは…?
グリムとデュースの様子に流石の先輩も苦笑しちゃってるよ。
「想像以上に要領悪いなー君ら」
「コイツも言ってたけど、やっぱ薔薇は白いままでよ良くね?」
「んーこればっかりは伝統だから。なんでもない日おめでとうのパーティーの時は赤!そんでクロッケーでは七色のフラミンゴとハリネズミを使う。春の庭でやる花たちのコンサートでは薔薇は白!」
「なるほど…白い薔薇を使う時があるからパーティーのたびに赤く塗るんですね…」
うーん。納得できるようなできないような……