The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「しかも、そこの君は寮長のタルトを盗んで罪の上塗りをした子だ!」
「昨日の今日でもうその話広まってるんですね…」
「学校中で話題のニューカマーと会えてラッキー!ねね、一緒に写メとろーよ!」
私たちが返事をする前に近寄ってくると驚いている隙にパシャリと撮られる。
見た目でも思ってたけど、予想以上にチャラい!!
「マジカメ上げていい?タグ付けしたいから名前教えてよー!」
「デュース・スペードです」
「……エース」
「オレ様はグリムだ。でこっちは子分のユウだゾ」
子分じゃないし!と心の中で突っ込む。目の前の人はスマホで素早くタグ付けをするとにっこりと笑って、ピースをして見せる。
「ほい、アップ完了!あ、オレは三年のケイト・ダイヤモンドでーす!」
「えっと…私は柊木ユウです」
スマホを手慣れた様子でマジカメ?に写真をアップする先輩。マジカメってインスタみたいな?
私は基本スマホは小説や本、漫画を読んだりゲームをしたりする用途だったからあまり詳しくないけれど。
クラスの女子たちがインスタ映えとやらを狙って流行りのカフェに行くのをよく横目で見てたっけ。
「ちっちゃくてかわいー!!オレのことはケイトくんって呼んでね?あ、けーくん♡でもいいよ。
よろよろ〜〜」
「よろしく、お願いします……?」
「あは!なんで疑問系?可愛い!!
てか、ユウちゃんってあのオンボロ寮の監督生になったんだよね?よくあんなとこ住めるねー!マジカメ映え最悪ー!って感じじゃん?」
乾いた笑いが溢れる。正直あの寮は何処もかしこも壊れていて、埃も天井から降ってくるくらいでアレルギー持ちだったら最悪な環境だろう。
「あはは…確かに住み心地は悪いですね……」
「本当だよなーオレ談話室で寝てたら埃が降ってきたくらいだし」
いきなり家に来たのはエースだから文句言わないと軽く小突くと先輩は微笑ましそうにニコニコと笑っている。
「…そうだ!君たち、薔薇を塗るの手伝ってくれない?」
「え、でも。自分たち、ローズハート寮長に用があって……」
「コレが終わったら案内してあげるって!オレ、パーティーでやるクロッケー大会のフラミンゴに色をつける仕事があって忙しいんだ」
ふ、フラミンゴに色を?
変な仕事ばかりだというグリムに今回ばかりは同意するよ。