The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「これは、グレート・セブンの1人、ハートの女王が決めたルールなんだって。リドルくんは、歴代寮長の中でもかなりガチガチに伝統を守ってる、真面目な子だからね〜」
「確かにローズハート先輩は真面目そうな感じでしたね。でも、後輩の面倒を見る優しいところもあるましたよ」
「?……リドルくんに会ったの?その口ぶりだと」
「購買部の場所が分からなくて案内してもらったんです」
また迷子になってたのか?とグリムが呆れてるけど、私だって自分がこんなに方向音痴だとは思わなかったよ。
「て、オレこんなことしてる場合じゃなかった!」
そういえばそうだった!エースの言葉に我に返ってぱっと先輩の顔を見る。
薔薇を塗っていたらすっかり本来の目的を忘れてしまっていた。
「おっとそうだったね。この時間ならまだリドルくんも寮内にいると思うけど。エースちゃん?お詫びのタルトは持ってきた?」
「え、朝イチで来て手ぶらっすけど」
「あちゃー…」
まずいことになったとケイト先輩は頭に手を当てる。一体なんのこと?手ぶらなのがいけないって謝る時に何か差し入れか何かを持っていかないといけないとか?
嫌な予感、まさか追い出されるってことはないよね?
「それじゃあ、ハートの女王の法律第53条『盗んだものは返さなければならない』に反してるから、寮には入れられないかな」
「はぁ?!何だそれ!!」
「ハートの女王の法律……?そんな法律が……」
まさか寮にそんな決まり事があるなんて……
慌てる私たちを横目に先輩は優しげな表情を一変させて、マジカルペンを私たちに向ける。
先輩の目笑ってない…!!
「ちょ、先輩?!」
「見逃したらオレも首刎ねられちゃう。君たちには悪いけどリドルくんに気づかれる前に出て行ってもらうね」
「うわっ!あの顔本気じゃん!!デュース、あと頼んだ!」
「!……と。エースいきなり引っ張るのはやめて」
エースは私の腕を引っ張るとデュースの後ろに一緒に隠れた。戸惑いながらも先輩の動きを先輩の動きを観察する。魔法を出すならペンを振るときの動作があるはず。それを見逃さないように。
「な、何で俺が!」
「オレ、今魔法使えないんだよ!」
「二人とも喧嘩してる場合じゃないよ!来る!」
ペンが揺れるのを見て、二人に声をかけるとデュースは覚悟を決めて、グリムと一緒に魔法を向ける。