The end of the story 【ツイステ】
第12章 Confusionトゥルース!
確かに胸ポケットが空になっている代わりにヒラヒラと見せつけるようにラギー先輩がペン二本を持って揺らしていた。
一体いつの間に無くなったのだろう。
もしかして、教室を出る時のあの一瞬で?
「あんたらさてはお坊ちゃん育ちッスね?懐ガラガラで楽勝で盗れちゃったッスよー」
「いつの間に二人のペンを魔法で盗んだんだ?!」
「やだなーこんなの魔法使わなくったって余裕ッスよ。ってわけでこんなとこでボコられちゃ堪らないんで退散させてもらうッスよー。
じゃあねー?」
ラギー先輩はそのまま先輩のマジカルペンをポケットへ入れると軽快に走り去ってしまった。
は、速い……
って…ぼーっと見てる場合じゃなかった!このままだと見失う!
「グリム、追いかけよう!」
「お、おう!」
素早く廊下を駆けていくラギー先輩を追いかける。
「くっ!待て、ラギー・ブッチ!止まらないと首を刎ねるぞ!!オフウィズ…」
「ちょ、待って待って!リドルくん!やっと体からブロットが抜けたばかりなのにダメだって!!」
ケイト先輩が慌てて顔を真っ赤にして怒るリドル先輩を止めているのを横目に追いかけた。一緒に止められなくてスミマセン!
心の中で手を合わせてグリムと一緒に追いかけるが、体力のない私は既にダウンしそうだ。
「おい、大丈夫か?!」
「う、うん」
グリムの呼びかけになんとか頷くと向かい側にエースたちが歩いてくるのが見えて、あっと声を上げた。
エースがニヤニヤと笑いながらいつも通りデュースを揶揄っているのだろうか。少しムスッとした顔のデュースが隣を歩いている。
それでも二人は隣を歩いているのだからやっぱり仲が良い。本人たちに言ったらすぐさま否定されそうだけど。
それにしてもナイスタイミングだ!
「いやー、お前のフラミンゴ当番用のピンクの服……マジ凄かったわー。ドピンクの豹柄とか」
「し、仕方ないだろ!持ってるピンクの服はあれしかなかったんだから」
「えー、わざとじゃないだー」
「そんなわけあるか!」
「にしても結局訳わかんない法律は沢山残ってるよな。前よりはマシだけどー……」
「キミたち……」
「ひぇっ」
声をかけようと口を開けた瞬間、背後から禍々しいオーラと低い声が聞こえ、口を閉じる。
関係のないはずの私たちまでピンっと背筋が伸びた。