The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「まーた喧嘩してるの?二人とも懲りないねぇ。それで退学になりかけたっていうのに」
「二人にとっては挨拶のようなものなんじゃないか?多分……」
「確かに会うたびに喧嘩してる気がするもんね。おーい、そこのお二人さーん。私準備できたし、早く寮に行こうよ。謝る時間なくなっちゃうよ?」
呼びかけると二人ともムスッとした顔をして玄関まで来る様子にデュースと顔を見合わせて苦笑した。
この二人ってすぐに喧嘩するけど、やっぱり似たもの同士だからなんじゃないかと思う。意地悪で中々素直に慣れないってとこなんかそっくりだ。
で、何が原因だったの?と二人に聞くとエースの首輪のことをグリムがからかい始めてそれに怒ったエースが入学式のことを蒸し返してくるので今度はグリムが怒って……とヒートアップしたらしい。
「もう、喧嘩してないで早く寮長さんに謝りに行かないと授業もそれはめたままだよ」
「うぐ……」
流石にそれはカッコ悪いでしょ?
エースは苦虫を噛み潰したような顔でグリムから離れた。
***
メインストリートに行くとグリムはご機嫌な様子で歩いていく。
「ふふーん。今日からナイトレイブンカレッジの生徒のオレ様がお通りなんだゾ!
見ろ!この魔法石のついた首輪を!エースのダッセー首輪よりめっちゃキマってるんだぞ!!」
スキップでもしそうなくらい浮かれるグリムはエースに魔法石を見せびらかす。あーあ、やっと喧嘩終わったと思ったのに。
「エースは今日一日雑用係として学校の掃除でもしてればいいんだゾ。にゃっはー!!いい気分」
「あはは、昨日のこと随分と根に持ってるね」
「こ、こいつ!言わせておけば!!魔法が使えるようになったら覚えとけよ!」
もう、この二人の場合。魔法の相性が良すぎてまたどこか燃やさないか心配になる。念のためゴーストカメラは持ってきたけど、やらかしたら報告はしないと。通う代わりに頼まれたことだし。
「昨日学園長から騒ぎを起こすなと言われたばかりだろうに…」
「私魔法使えないんだからいちいち止めるの大変なんだよ?」
炎が吹き荒れる中、割り込んだら喧嘩を止めるどころか私まで黒焦げになっちゃう。
猛獣使いなんて称号を学園長からもらったとはいえ、止められない喧嘩はある。