The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「……おい、こらエース!女性の部屋に勝手に入ったらダメだろ!」
「だからってそろそろ行かないと寮長に謝りに行けないだろ!」
頭が重い……
眠気でうまく頭が働かなくてぼんやりと声を聞いていた。うるさいなぁ、もう少し静かにして欲しい。
「起きろ!!グリムもだぞ!」
「ふな゛っ?!!」
「うぅ。エース……うるさいよぉ」
エースの声に跳ね起きたグリムと違って、睡眠時間が足りなかった私はうとうとしながらゆっくり目を擦って重たい体を起き上がらせた。
眠い……今、何時……?
「なんか随分と眠たそうだな」
「あれ、デュース?なんで此処に……あ、そっか。エースを迎えに来たの?」
はふと欠伸を噛み殺す。時計を見て、さぁーと眠気が飛んでいった。
そういえばエースと一緒にハーツラビュル寮まで行くから早く起きないといけないんだった。今までの世界での時間感覚でもう少し遅めに起きようとしてた……。
「ご、ごめん。ハーツラビュル寮に行くんだった。
すぐに準備するね」
「おー。じゃ、オレら談話室で待ってるな」
学園長から受け取った制服を広げてみるとエースたちと同じジャケット、ワイシャツが2枚。あ、夜は気づかなかったけどこっちは運動着かな?
流石に制服はズボンだね。スカートなんて履いたらモロバレだもね。
えーと確か学園長からの手紙の裏に当面の時間割が書かれていたような……。
紙をひっくり返すと、お、ビンゴだ。教科名の書かれた表がある。
パッと見た感じ、今日は荷物が多そうな日だ。運動着とこの白衣もいるみたいだし。
嵩張らないように畳んで鞄の中に突っ込んだ。あんまり大きな鞄じゃないけど、なんとか全部入ってよかった。
「よし!あとは制服を着てー、ネクタイはリボン結びでいいや」
中のベストは急だったから用意出来なかったようだけど、無くても十分素敵な制服だ。腕章もないからみんなよりちょっとシンプルな見た目だけど、私はこのくらいで丁度いい。装飾が多くても動きづらいし。
くるりとその場で回ってみて変なところがないか確認してから部屋を出た。
談話室に荷物を持っていくとまたグリムとエースが喧嘩してる。今度は一体何が原因で喧嘩したのか。
デュースは喧嘩に入らず、静観している。一番喧嘩っ早いように見えるけど、意外と我慢できるんだよね…デュースって。