• テキストサイズ

The end of the story 【ツイステ】

第4章 stolenスイーツ!




「………俺はカリム….寮長に食堂の食事をなるべくさせないように弁当を作って持っていっているんだ。けれど、カリムが弁当用に仕込みをしていたおかずをいつの間にか食べていて。仕方なく……食堂の食材を分けて貰ったんだ」
「な、なるほど」

寮長さんの盗み食いが原因か。なんか凄いついさっき似たような話を聞いたな。どの寮でも起こるのだろうか。
疲れたように溜息を吐く先輩。凄い苦労されてるんだな……。

「でも、きっと先輩の作られる料理はきっと美味しいんでしょうね。こんなにお茶を淹れるのが上手いんだし」
「……褒めてくれるのはありがたいが、お茶くらいで料理の味は判断できないと思うが」
「勘ですって。それに実際美味しいのでしょう?……それじゃあ、私はそろそろ寮に戻ります」

これ以上お世話になるのも後が怖い。

「なら鏡舎まで送っていく。少し待っててくれ…」
「え、そんな!私、一人でも帰れます……ってもういないし!!」

なんでこの学校の人は話聞かない人が多いのかな。行き場所を無くした伸ばした手を下ろすと溜息をついた。バイパー先輩は面倒ごとを嫌ってそうな感じなのにここまでしてくれる理由はなんだろう。
親切心だけじゃないような気がしてならない。

私を利用してる?だとしても私を使っても何も得られることはないと思うが。

しばらくしてキッチンの奥から現れた先輩は何かを持っている。



「……ほら、これ。返さないでいいから持っていって欲しい」
「これはさっきのハーブティーの茶葉?それにこれは」
「弁当の仕込みで余った食材だ。どうせ学園長のことだから本当に最低限しかお金を渡していないだろう?少ししかないが、こっちには日持ちはしないがおかずになりそうなものを詰めておいた。どれも毒味はしてあるから安心して食べるといい」
「そ、そこまでしてもらうなんて悪いです!それもこのハーブティーなんて凄いお高そう……」

茶葉の入ってる袋は高級感漂っていて、これはタダで受け取るとまずいヤツだってわかる。
それに食材は私にも使いやすいような食材を選んでくれたのかな。おかずはあまり見慣れないものだったけど、スパイスの香りが夜中なのに食欲を掻き立てる。


/ 324ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp