The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
そもそもエースのいう手枷足枷のつけられるっていうのがつけられたことのない私にはわからないけど。
「それで結局そのタルトの盗み食いは謝ったの?」
「う………そ、それは…」
「謝ってないのね?確かに魔法封じはやり過ぎだったかもしれないけど、エースのタルトの盗み食いだって良くないことだよ?ちゃんと謝らないと…」
「……お前なら寮長が横暴だって言ってくれると思ったんだけど?」
そうは言われてもねぇ?そもそもその寮長であるリドルさんに会ってるからそうとも言い切れないんじゃないかなって思う。
「まずは謝ってきた方がいいよ。長引くと余計に言いづらくなるよ」
「ちぇー、分かったよ。謝ればいいんだろー?」
「食べ物の恨みは恐ろしいんだゾ」
ツナ缶のことを思い出して怒るグリムは置いておいて、とにかく明日はリドルさんに謝りに行ったほうがいい。
ずっとその首輪で過ごすわけにもいかないし。
特に寝る時邪魔になって寝違えそうだ。
「ユウが提案したんだから謝る時ついて一緒に来いよな」
「はいはい。謝るのに付き合ってもらうとか子どもかなー?」
「うっせ!で、とりあえず今日どこで寝ればいい?」
寮生になるのは無理とはいえ、本気で泊まる気だったのか……。いきなりそう言われてもこの寮にきてまだたった数日だから掃除なんてほとんど進んでないからなぁ。部屋は沢山あっても埃まみれなのは流石にどうにもならない。
「そんなこといっても掃除してあるのはこの談話室と私とグリムの部屋だけだよ」
「泊まるなら自分で掃除しないとだゾ」
「げ、掃除とか絶対やだ」
「えーでも……それ以外部屋ないし」
駄々をこねて渋るエースに困って今から掃除しても泊まれる部屋がないか考えてみる。けれど、どの部屋も埃まみれだし。こんな夜中に掃除しても今から布団を干すのは難しいし。
「ユウの部屋には泊めてくれねーの?」
「…私が女だって言ったの忘れてないよね?」
「流石に何もしねーって!」
「なんかして来たら普通に殴り飛ばす」
「こわっ!」
当然でしょ。
そもそも私、同年代の男子とちゃんと関わるのはこの学園に来て初めてなのに。精神衛生上無理だ。
一緒に会話するのだって精一杯なのに!
学校でも男子と話したのは事務的なことばかりだったからなぁ。