The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
「うん……そんなことだろうと思った……」
面倒ごとの予感に頭が痛くなる。おかしいなぁ……私、こんな巻き込まれて体質ではないはず……。
***
談話室に行ってエースから詳しく話を聞くことにした。
「その首輪ってさ。ハーツラビュルの寮長の魔法だっけ?グリムがつけられてたやつ」
「あの赤毛の上級生って寮長なのか?」
「そうそう!本当、とんでもない暴君だよ!!」
暴君……ねぇ?リドルさんを思い出すけど、厳しくても後輩のことを思ってくれる面倒見の良さは感じても暴君って……あんまりわからなかったけどなぁ。むしろエースのような問題児に悩んでいるみたいだったからなぁ。
「で。一体なにやったの?あの寮長さんは規則を守ればその首輪なんてつけないと思うけど」
「タルト食った」
「ん?タルト?」
「そーだよ!小腹が空いて、寮のキッチンの冷蔵庫開けたらタルトが冷やしてあったんだよ。
「あ、なんか分かったかも……」
この後の展開になんとなく予想がついた。
「もしかしてさ。そのタルトを盗み食いしたところを寮長さんに見られてその首輪はめられたんでしょ?」
「そう、だけどさ!寮長のタルトをつまみ食いしたって言っても3ホールもあったんだよ!!」
一切れくらい別にいいじゃんか!と訴えるエース。それって正直自業自得ってやつでは?
常識的に考えてリドルさんのタルトじゃなかったとしても他人のものを盗み食いされたらそりゃ怒るでしょ。
グリムと呆れながらエースの言い分を聞いてもやっぱりエースの方が悪いのではと思ってしまう。
「どっちもどっちなんだゾ」
「うん。私もそう思うなぁ……エースだって大切に食べようと思ってたものが食べられてたら怒るでしょ?それと同じじゃない?」
「ぐっ……でもさ!魔法封じはやり過ぎでしょ!!魔法士にとっては手枷足枷つけられる様なもんだよ!大体3ホールなんて食い切れねーだろ!心が狭いにも程がある!!」
「うーん。でもやっぱり寮長にとってはそのタルトは大切なものだったのかもしれないし……何とも言えないかな……」
「あ、もしかしたらパーティー用かもしれないんだゾ。誰かの誕生日とか?」
誕生日ねぇー?この世界の、しかもハートの女王をモチーフとしてる寮ならパーティーはわかるけど誕生日なのかはわからないなぁ。
まぁだとしてもエースのタルトの盗み食いは良くない事だ。