The end of the story 【ツイステ】
第4章 stolenスイーツ!
エースの首にはとても見覚えのあるハートの首輪が。あぁ……やらかしたんだね。
呆れて冷たい目でエースを見る。
「こんな時間にどーしたんだゾ……ってゲゲッ!その首輪!!」
「リドルさん……今頃この問題児に呆れてるだろうな。石像とシャンデリアの次は何やらかしたの?」
「やらかしてる前提で話すな!ってかユウ、その手に持ってるやつなんだよ……」
エースは私の手にあるものを見つけて引き気味に尋ねてきたのでにっこりと背中に隠したものを見せる。
持ってきたのは掃除に使っているデッキブラシ。
もちろん使用済みである。
当たってみる?とニコニコと振りかざすと結構ですと返されるけど、別に遠慮しなくていいんだよ。
「こえーわ!追い出す気満々かよ!」
「だってこんな夜中に、しかも女が住んでる家にアポ無しで来る常識知らずさんを追い出しても文句は言えないでしょ」
「……女?」
「…ねぇ。泥棒だったら金属バットを使おうと思ってたんだけど……エース?どっちがいい?」
ふふふと笑いながらデッキブラシで素振りをして見せる。何?女らしくないっていいたいの?
そんなに当てて欲しいなら早く言ってよね。
「オマエのそういうところだと思うんだゾ……」
「ん?何か言った?グリム?」
「何でもないんだゾー」
すいっと視線を逸らしてあっさりエースを見捨てるグリム。自分の身の安全の方が大事だ。エースは学園長の言っていた猛獣使いたる一面を見た。
「金属バット……デュースかよっ!お前も元不良じゃないだろうな?その柄の悪さ!脅しかよっ!」
「えへへ……照れるなぁ」
「褒めてない!!」
鋭いツッコミに戯けた様に肩を落としてブラシを壁に立てかけておく。これでいい?というようにエースを見るとホッと胸を撫で下ろす。どうやら追い出されるのは困るみたいだ。
「えーそうなの?残念。で……結局エースは何の用でうちに来たの?」
「お前、さてはオレで遊んだな……?」
「さて。何のことやら……」
すいっと視線を逸らした。あはは…気のせいだよ。散々こっちを振り回してきたお返しとかじゃないからねーー。
じとりとこちらを睨むエースを無視してにっこりと笑って話を促す。
「はぁーこの首輪見て分かるだろ?ハーツラビュルには戻りたくねー。オレ、ここの寮生になる!」
「にゃ、にゃにーーっ!!!??」