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The end of the story 【ツイステ】

第3章 penaltyコンビ



そんなに怖いかな?確かに規則には厳しそうだけど、規則には守っていれば普通に面倒見のいい先輩だと思う。

「うちのオンボロ寮に比べたらマシな暮らししてるんだから我慢するんだゾ」
「そうだね……ベッドに寝ようとしたら底が抜けるくらい放置されてて、寝る時隙間風が酷いし」
「学園長…女性をそんなところに住ませているのか?」
「住まわせてもらってる分、文句言えないから仕方ないよ」

オンボロ寮の荒れ具合は外より中の方が酷い状態だし、学園長って私が魔法の使えないこと忘れてない?自分が魔法使えるからってその基準で見てないかとちょっと気になっている。
二人は寮の荒れ具合に引いている。オンボロといってもそこまでだと思っていなかったらしい。

「僕が今度寮に行ってちょっと直す手伝いしようか?魔法は自信ないけど、力仕事くらいなら僕にもできる」
「助かります……」
「実践魔法の苦手な泣き虫デュースくんらしいじゃん」
「は?今、なんて言った?サボり魔エース」


私だけじゃ手の届かないところとか力が無いせいで何度も往復してゴミを運んだりしていたけど、人手が増えるだけで大分変わると思う。
喧嘩を始めるかと身構えたのにこれはただの軽口だったらしい。紛らわしい……また喧嘩になったら宥めるの大変なのはこっちなのに。
でも、言い合いをする二人は最初みたいな険悪さは無くなっていて安心した。

「オレも気が向いたら手伝ってあげる。じゃ、オレたちはここで。また明日、ユウ」
「うん、また明日」

手を振って鏡舎に入るエースとデュースを見送っているとそういえば、最初エースからお前としか呼ばれなかったのに。いつの間にか名前呼びになっているのに気づいて、くすりと笑った。
やっぱりエースって素直じゃないなぁ。デュースが素直な分、真逆に見えてしまう。


「アイツらなんだかんだいいコンビなんだゾ」
「そうだね、いつも喧嘩してるあの感じが二人にはちょうどいいのかも」

これぞ、雨降って地固まるってやつかな?


「さ!オレたちも早く寮に戻るんだゾ。明日からはホントに雑用係じゃなくて、生徒としてオレ様の輝かしい学園生活が始まるんだゾ!!」
「うん!一緒に頑張ろ!!」

意気揚々と飛び跳ねるグリム。微笑ましく思う一方で魔法のある学園で生徒として通うことがとても楽しみだ。

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