The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「さて、今日はもう遅い。詳しい話は明日にしましょう。皆さん寮に戻りなさい」
「はい。失礼します」
制服とペン、カメラを忘れないように持って学園長室から退室した。
***
学園長室から出るとデュースは膝に手をついて大きく息を吐いた。
「退学免除……力が抜けた」
「やれやれだねー」
「これでやっと安心できる……」
はしゃぐグリムを横目にほっと胸を撫で下ろした。退学って言われて一時はどうなることかと思ったよ。
「明日からオレ様も、ナイトレイブンカレッジの生徒なんだゾ!オマエたちなんかぶっちぎって、学年首席になってやるんだゾ〜〜〜!」
「あらら、グリム完全に浮かれちゃってる」
にししと笑い、魔法石を見せびらかすように歩くグリム。本当に通えることが嬉しいんだね。
エースは苦笑して完全に調子乗ってるなと笑う。
「オレは正直それよりもユウが女だったことが衝撃……」
「えぇーそんなに?」
「確かにそうだな。僕は全然気づかなかった…」
「男子校に女が混じってるなんて普通思わないものね……それに私よりも見た目が完全に女の子みたいな顔の子がこの学園にはいるから仕方ないよ」
リドルさんみたいな顔の子とかいるし。女の私から見ても羨ましいくらい可愛らしい男子が多いんだよ、この学園は。
あの鏡は顔面偏差値で選んでるんじゃないかと思うくらい。何気にエースとデュースも顔良いし。
本人に言ったら調子乗りそうだから言わないけど、特にエース。
「明日から同じ学生になるんだし、お前の俺たちの呼びかたどうにかなんねーの?」
「確かに君付けはちょっとな」
「その呼び方はあんまりされないからちょっと鳥肌立つわ。呼び捨てで良いって」
そこのグリムだってオレたちのこと呼び捨てで呼んでるしとエースは続けて言った。
鳥肌って……うーん。自分はむしろ呼び捨てはあんまりされなかったから。ちゃんと呼ばないと怒られると思ってなるべく敬称をつけていたんだけ。
そこまで嫌ならまぁ……。
こくりと頷くとエースとデュースは表情を緩めた。
「うん、わかった。それじゃあ、改めてよろしくね。エース、デュース」
「ん、そういうの今更やるのハズイ……」
「だな。まぁ、そろそろ帰らないと寮長にまた怒られるから戻らないか?」
「あの寮長、おっかね〜もんなー」
二人の寮の寮長はリドルさんだったはず。