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The end of the story 【ツイステ】

第3章 penaltyコンビ




買ってきたツナ缶を使ってパスタを作るとグリムは大喜びで食レポしながら食べてくれた。料理は時々やっていたけど、誰かが料理を食べてくれて喜んでくれるのって久しぶりだ。
でも、これで約束の分のツナ缶は渡せたかな。

結局学園長はお金はくれてもツナ缶はくれなかったからね。

それにしても早めにキッチンの片付けをしておいてよかった。グリムなら夜中にお腹すいて食べたいってなるかと思っていたから。

グリムはだいぶ遅れた夕飯後、疲れていたからかすぐに眠ってしまって、眠くなるまで明日の支度をしているとふわりと冷たい風と止めに半透明のものが見えた。

「なんだか大変だったみたいだねー」
「ゴーストさんたち……うん。退学騒ぎになった時は焦ったけど、終わりよければ全てよしだね」

一度は追い出したゴーストさんたち。やっぱり実体を持ってないから何度でも部屋に入ってこれる。
ゴーストさんのふわふわと気ままに漂う姿は少し羨ましくなる。

「ふふ…でも随分と楽しそうだね。イッヒヒ!」
「学園に通えるのが嬉しくてつい……これじゃグリムのこと言えないね」
「いいじゃないか、学校生活なんて生きているうちにしか楽しめないものさ。今のうちに楽しめばいい。オレたちみたいにいつ死ぬかなんて分からないんだから」

いつもと違う親の様な優しい声色。無条件に注がれる愛情が温かくて、その温かさにもう触れないことを頭で理解しているのに。
そんな感情をゴーストたちに求めてしまうのが、なんだか恥ずかしくて結局返答なんて出来なかった。こんな寂しいなんて…友達にも恵まれて一緒に過ごす仲間と居場所ができたのに。贅沢な悩みだ。


「さぁさぁ、明日も早いんだろう?グリ坊はもう寝てるんだ。子どもは早く寝ないとダメさ」
「もぅ。ゴーストさんたちから見たら大人でも子どもになるでしょ……でも、おやすみなさい」

布団の中に入ると自分も疲れていたのかことりと夢の中に落ちてしまった。


迷子の少女をまるで孫の様に感じているゴースたちはすやすやと眠る子どもたちを朝が来るまでじっと見守っていた。

どうかこの子達に幸せな夢が訪れますように。





物語は進む、ようやく初めの一ページ。
今は全てを忘れ、眠るだけ。

この物語の結末はまだ誰も知らない。


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