The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「ってことは……オレ様も、この学園に通えるのか……?雑用係じゃなく、生徒として?」
「はい。ただし、これ以上問題を起こさないように。いいですね?」
「ふな……ふなぁ………オレ様………」
「学園に通えるようになってよかったね!グリム」
喜びを隠しきれず、飛び上がるグリムとハイタッチ。私はおまけのような存在だけど、グリムがあんなに通いたがっていた学園に通えるようになるのは自分のことのように嬉しい。
「それではナイトレイブンカレッジの生徒としての証を二人に授けましょう。…ユウくんは両手を出していてくださいね」
そういうと学園長は指先をくるりと回す。小さな光が集まるとグリムの首元には薄い紫色の魔法石が。私の両手にはこの学園の制服の上にエースたちが持っている魔法石のついたペンが乗っていた。
「ほわっ!?魔法石!!」
「本来、生徒は魔法石が付いたマジカルペンを使うのが決まりですが……グリムくんは、その肉球では上手く握れないでしょう?
特別カスタムです。ああ……なんと細やかな気遣い!私、優しすぎませんか?」
「これ、二人が魔法使う時に持ってたやつ……マジカルペンって名前なんですね」
「そーそ。魔法の使えないお前の場合、本当にペンとしてとこの学園の生徒証としてしか使えないんだけど」
光の反射でキラキラと輝く魔法石。生徒の証として持っていないといけないから魔法の使えない私も普段から持ち歩く必要があるのね。
生徒になるのは拒否したとはいえ、このペンを貰えるとこの世界に自分の居場所がようやくできたように感じて嬉しい……。
「やったんだゾ!!かっけーんだゾ!オレ様だけの魔法石の首輪なんだゾ〜〜♪」
「全然聞いてませんね……ご覧の通り、グリムくんはまだ人間社会に不慣れです。君がしっかり手綱を握って、騒ぎを起こさないように監督するように!」
完全に浮かれたグリムがエースたちに魔法石を見せびらかしているのを見て、学園長に注意される。私にどこまでできるか分からないけど出来るだけグリムの様子は注意深く見ておきます。
グリムのことだから私に内緒で行動して勝手に問題を起こしている可能性はなくもないけど。
「ぜ、善処いたします」
「あはっ!すげーじゃん、お前。入学したばっかで、もう監督生になっちゃったわけ?」
「かんとくせい?」
なにそれ?