The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
意地でも吐き出さず、完全に呑み込んでしまった。あんな嫌な予感のするものを飲み込んじゃうなんて……。
「拾い食いは良くないぞ、グリム……」
「あーあ、
そんなの食べてお腹壊してもしーらない」
「め、目が回るんだゾ……でも、これは……う、うんまぁ〜〜い!!」
目を回しながらも味わって食べたようでキラキラと目を輝かせるグリムにエースとデュースはぎょっとグリムを凝視した。あんな石食べるなんて……確実に胃で消化できないだろうに。
「まったりとしていて、それでいてコクがあり、香ばしさと甘さが舌の上で花開く……まるで口の中が花畑だゾ!」
「はぁ…….グリム、食レポ上手いね……」
吐き出させるのに諦めてグリムを下ろした。そんな大絶賛するようなモノには私は見えない。
ペラペラと味の感想を言うグリムの台詞はテレビでよく見る食レポのようだ。
「げーっ、やっぱモンスターってオレ達とは味覚が違うの?」
「……かもしれないな。というか……落ちている得体の知れないものを口に入れること自体、ほとんどの人間はやらないが」
「そりゃそうだ……グリム…モンスターの体って一体どういう作りしてるの?」
じっとグリムのお腹を見る。食堂の時から思ったけど、割となんでも食べるからモンスターって雑食だと納得はしたけど、石を食べるなんて雑食どころじゃないと思う。
「美味美味!心配しなくてもオレ様はそんなヤワな腹はしてねえんだゾ」
「後で泣きついてきても知らないよ?」
「………気を取り直して学園長に魔法石を渡しに行こう!」
来た時と同じように手に入れた魔法石を持って、森の入り口にある鏡を潜った。
***
「え!?本当に魔法石を取りにドワーフ鉱山へ行ったんですか?」
学園長は私たちがとってきた魔法石を見ると予想外の出来事がおきたと言いたげに話すので私たちも固まる。あなたが取りに行かないと退学にするって言うからわざわざ暗い夜道を歩いて探しに行ったのに。
「だ、だって……学園長が魔法石取りに行ったら退学を取り消してくれるって………」
「いやぁ、まさか本当に取りに行くなんて……しかも、魔法石を持って帰ってくるなんて思ってもいませんでしたよ。……粛々と退学手続きを進めてしまいました」
この烏……!なんて奴だと怒るグリムに同意だ。危険な目にあっていたのに絶対に無理だと決めつけるなんて!!