The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
魔法を放ちながらポンポンとリズム良く会話する二人、今までの戦闘でだいぶ仲良くなれたみたいだ。
バケモノに魔法を放ったら襲って来る拳や手の払い。それからツルハシに気をつける。
誰を狙っているのか後方でじっと観察して、大声で伝えた。ここまできて集中力が増しているのか、アイツをよく観察すると目線の先で何を見ているのかまで見えるようになっていて、自分でも不思議な感覚。
「グリム、エースの風魔法に合わせて炎を!デュースは手が近づいてるから後ろに下がって!」
グリムの場合、威力が足りないからエースと合わせて炎を大きく。隙ができたらデュースの大釜を。
しばらく敵の攻撃の隙を探して、魔法を叩き込むのを繰り返しているとバケモノは砂のように崩れた。
まるで何かが尽きたような。
「か、勝った!!…オレ様たちが勝ったんだゾ!」
「よっしゃあ!!」
「はぁ…どうなることかと思ったよ……」
本当にみんな無事だ。魔法を出しまくった疲れで二人はふらふら。グリムも攻撃を必死でかわしていたから毛並みがボサボサ、全身泥だらけだ。
これは帰ったらみんなシャワー浴びないとだ。
「勝利のハイタッチなんだゾ!」
「「「イェーイ!!」」」
本当に随分と仲良くなったなぁ。ここに来る前はあんなに喧嘩して、作戦を考える前も意見の食い違いで大変だったのに。つい微笑ましく見ているとエースが突然近づいてきて、私の頬をぎゅぅとつねる。
ええ、い、いきなりなんなの?!
いきなりのことに何も抵抗できない。
「いた、ひょっとにゃにふるの!いたいってば!」
「落ち着いたわけだし、これでやーっとお前に文句言える」
「ふぇ…もんふ?」
一体なんだろう。きょとんと見上げるとエースとデュースはやれやれと顔を見合わせてため息をついた。
「お前さ、一人でなんでも突っ走りすぎ。何でさ、自分のことそんな風に扱うのかは分からないけど。オレたちがそんなに理不尽に見えるわけ?
囮とか、自分の身体を差し出すとかほんと何考えてるの?こっちの気持ちも考えろ!馬鹿っ!」
つねる力が更に増す。感情的に怒るエースにどうしたらいいか分からない。デュースはデュースで起こっているみたいだから助けを求められない、土で汚れた包帯が解けかけていたのに気づいて直してくれる。
グリムは疲れたのか、もはやこちらの話なんて聞いちゃいない。