The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「だーかーら!お前さー、シャンデリアの時といい、実は相当バカでしょ。さっき全然歯が立たなかったくせに、なんとかって何?何度やったって同じだろ」
「なんだと!?お前こそ歯が立たなかっただろ!」
「あーあ。また始まったんだゾ」
呆れながらグリムは二人の喧嘩を見ているけど、喧嘩していたって時間が過ぎていくだけでなんの解決にもならない。
私が言って聞いてくれるかは分からないけど、これ以上二人の言い合いが収まるのを待っていたらいつ帰れるか……。喧嘩を見ているとだんだんムカついて、気づくと二人の間に割って入っていた。
「ちょっと二人とも、いつまで喧嘩してるの」
「わ!ちょ、いきなりなんだよー」
「いきなりどうしたんだゾ?ユウ」
「小さな子どもじゃないんだから誰のせいとかで喧嘩はやめて。今はそんな喧嘩やってる場合じゃないでしょ!あのバケモノに歯が立たないのは二人がそんなだからだよ」
真っ直ぐと二人の目を見ていうと気圧されたように二人は後退りしたし、グリムは耳がぺたんと下がる。あれ、今のそんなに怖かったかな?
私なりに感情的になり過ぎないように怒ったつもりだけど。
本人は何も分からなかったが、エースとデュースとグリムは普段怒らない人の恐ろしさを知っただけ。
感情的に怒られるよりもニコニコと笑いながら淡々とぐさりと刺さってくるようなことをはっきりと言って怒る方が怖いものだ。
それにすんっと途中で表情が抜け落ちるのも怖いと二人と一匹は思った。
こいつ、怒らせたらまじで怖い。
「で、でも。あのバケモノ、歯が立たなかったけどどうやって倒すんだ?」
「そんなの簡単だよ。みんなの力を合わせること。
ただそれだけ」
「この真面目くんと?なにそれ…寒っ!よくそんなこと言えるよな。ダッセェ、そもそも一番役に立たないのお前じゃん。魔法使えないし、体力までないってまじで役立たず」
ふうん。役立たず、ねぇ。その言葉を聞いた瞬間、意識してにこにこと笑っていた被り物が剥がれ落ちたような感覚がした。頭の中でカチリとスイッチが入る。怒りでむしろ頭がすっきりした。デュースとグリムは背筋がひやりとした感覚を感じた。目の前の人物は今近づいたらやばいやつだとグリムは本能的に理解できたのでグリムには珍しく話を遮らない。
さっきと同じ怒り方に似ているけど、何か違う。
これは本気でキレている。