The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
ほんと煽るのやめて……
その煽りはこの一人と一匹は簡単に乗ってしまうのを知っててやってるでしょ、それ!!
デュースはそのままエースの胸ぐら掴んでぶん殴りそうな勢いだ。
「あぁそうかよ!腰抜け野郎はそこでガタガタ震えてろっ!」
「でゅ、デュースくん…?もしかしてキレると性格変わるタイプ……?」
「腰抜け?誰に向かって言ってんの?」
「デュース…オマエ、なんかキャラが変わってるような気がするんだゾ……」
「はっ!!」
戸惑いながらいうグリムの言葉で正気に戻ったのか一度咳払いをして、切り替えようとするデュースが不思議に思えた。
これもしかしてキレたときとか関係なく、こっちが素でいつもの真面目な方はデュースがそうなろうとしてる姿だったりして。
何故だかそんな気がしてならない。
「すまない……取り乱した」
「ううん。いいけど……問題はこれからどうするかだよ。デュースの言う通り魔法石を取りに行かないと退学。でも、あのバケモノ。一人じゃ全く歯が立たないって感じだったよね」
かといって魔法のない私が作戦の提案をしても私が役に立てそうなのはあいつの囮ってだけだし。
正直足の遅い私からすると、ふと思いついた作戦は決行するには自信のないものだった。
「魔法は万能ってわけじゃない。強いイメージがなければ具現化されないから」
「へぇ…便利だけどその分難しいんだね」
「そう!魔法学校があるんだけどね。パッと思い浮かべた通りに魔法を使うには、かなり練習が必要ってワケ。ぶっちゃけ、テンパッてるとミスりやすい」
なるほど、それでテンパってるグリムは炎しか出ないのね。妙に納得した。
割と感覚で炎出してる感じするし、魔法使う時グリムの場合考える前に炎を出してしまうのだろう。
「得意魔法ならすぐに出せるんだけど、それ以外の魔法となるとね……」
「なるほど……」
「とにかく僕は退学にされないためにもあいつを倒して魔法石を持ち帰ってみせる!」
それはいいんだけど、一人一人の魔法じゃどうにもならないってことはわかる。物理が効くのは分からないけど、グリムの魔法でほんの少しだけ反応していたからもう少し火力があれば可能性はあるかもしれない。けど、その火力を出す方法がな……。
にやりと笑うエースにとても嫌な予感がした。