The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「ちょ、エース!それは言い過ぎだ!謝るんだ!」
「いいよ。デュース、私が役立たずなのは知ってるから。それよりさ、役立たずってエースにも返ってくる言葉だよ」
「は?」
「だってあのバケモノの前じゃ魔法が全然効いてなかった。同レベルで争ってそっちの方が恥ずかしくない?そもそも協力するのがダサいって……じゃあ、入学して初日で退学って。そっちの方が恥ずかしいと思わないの?」
ばっさりと返す言葉に何も言えず、押し黙るエース。グリムが確かにそれはダサいんだゾという言葉が決定打となったらしい。
エースは今更になってデュースの言う通りに怒りに任せて言い過ぎたと後悔した。でも、素直に謝る気にもなれなかった。
気まづくなり、できたのは渋々デュースと協力することだけだ。
「あー、わかったよ。きょーりょくすればいいんでしょー?やればいいんでしょ、やれば」
投げやりに呟くエースにデュースも納得できたのか協力すると言ってくれた。
二人の言葉にようやく溜飲を下げることができた。
「で、そこまで言うなら作戦はあるわけ?」
そこにいたのは泣いている迷子の子どもじゃない。
自分のこの世界での役割をこなそうともがいている大人になりきれない子どもの姿だ。
***
私たちは作戦を立ててからもう一度炭鉱の前に立っていた。
「ユウ〜この作戦、本当に成功するのかぁ?オレ様、こわ…不安なんだゾ」
「大丈夫。成功するよ、自分を信じて動けばきっとね!」
優しい表情に戻り、自分を励ましてくれる存在にグリムはホッと肩を下ろした。本当、さっきの子分は怖かった。何よりこの穏やかの表情が一瞬にして抜け落ちるのを目撃してしまった時は尻尾と耳が垂れ下がって、無意識に尻尾が情けなく足の間に入り込んでいたくらい。もうあの顔は見たくないと決意したけど、また近いうちにその表情を見ることになるのをグリムは知らない。
「きっとって……」
「ここまで来たら腹をくくって成功させるしかないって」
「あぁ、行こう!」
「お前らカタくなりすぎ。もっと気楽に行けばいいだろ。パパッと終わらせて魔法石持ち帰ろうぜ」
うーん。エースの場合、気楽すぎるんだよね。
まぁ気負いすぎるのも良くないから適度が一番だ。
「まぁ、行きますかぁー」
「お前もお前で落差激しいんだゾ」
「そう?緊張してうまくできなくなるよりいいでしょ」