The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「あぁ、分かってる!」
「グリムは私が抱っこするからおいで!!」
デュースは痛む体に鞭を打ち、引きずるように立ち上がった。
ぴょんと私の腕に飛び乗ったグリムを抱えて、先頭を走るエースとデュースの後を追いかけた。
あのバケモノは魔法石に近づいた侵入者を追い払うための存在だったのか途中までは追ってきていたけど、すぐに私たちを見失ったのか坑道の奥に帰っていく。
必死に走って気づけば最初の森の中、小屋の近くまでたどり着いた。
「こ、ここまでくれば……大丈夫、か?」
「うん……あいつ、もう…追いかけてきてないよ」
背後を確認して見たけど地響きのようにも感じた足音はもう聞こえなくなっていた。私はここまで続く全力疾走で足がもうガクガク。
安心して肩の力が抜け、グリムを抱えながら地面に座り込んだ。
「はぁ…は…に、逃げ切れてよかったぁ……」
「あーもう!あんなやつ出てくるなんて聞いてねーよ!ったた。…思いっきり壁にぶつかったせいで全身痛いし……」
「あれはただのゴーストじゃなかったな」
そっか。あれは二人にとっても知らない存在。
ゴーストとは違う……グリムのようにモンスターという存在なのかもしれない。グリム以外のモンスターを知らないから確実にとは言えないけれど。
エースは服についた土を払うと小さくため息を吐く。
「もう諦めて帰ろーよ。あんなのと戦うくらいなら退学でいーじゃん」
「なっ!?」
「え、エースくん……」
気持ちは分かるけど……デュースはどうしてもあの学園にいたいみたいだし。
困ったなぁ。このままだと喧嘩になっちゃいそう……。
どうやったらあのバケモノをあの坑道から引き離して魔法石を取りに行けるんだろう。
あの狭い坑道じゃ正面から行ってもさっきと同じ結果になるだけ。
あのゲーム…物語上じゃ、きっとこの魔法石を手に入れることが出来たんだろう。
でも足りない私の頭じゃ思い浮かばない。
うんうんと頭を捻って考えているとデュースの性格が変わったような声にびっくりしてぱっと怒りの形相の彼を見つめた。うわっ…完全にキレてる……。
「……ざけんな。……ふっざけんな!!退学になるくらいなら死んだほうがマシだ!!
魔法石が目の前にあるっていうのに諦めて帰れるわけねーだろっ!!」
「は?オレより魔法下手なくせに何言ってんの?」
エース!また余計なことを!!