The end of the story 【ツイステ】
第1章 mirrorハプニング!
「ユウ……汝の魂の形は…………」
「……………」
「……………汝の…………魂の形……」
闇の鏡さん。そんなに間を開けなくても。気まずいほどの静寂の中、ようやく何か分かったのか鏡の中の炎の揺らめきが強くなり、鏡の中の人物?は話し出した。
「……わからぬ」
「何ですって?!」
「この者からは魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である。よって、どの寮にもふさわしくない!」
「そりゃそうだよね……魔法なんて使えないし。というかそれよりこの展開…よく小説やゲームであるやつ………って。ん?」
クロウリーさんは驚きのあまり固まっていて、周りの新入生らしき人たちはざわざわと話していて、上級生も驚きを隠せないようだったが正直私はそれどころじゃない。さっきからこの展開もグリムやクロウリーさんも何処かで見たことあって。一体何処だったかと思い出していたけど、そうじゃんこれってさ……ツイステッドワンダーランド……ある御伽話をオマージュしたっていうゲームの展開だ!!
「まさか……まさかと思ったけど。異世界トリップだけじゃなくて、ゲームの物語に似た世界に来ちゃったわけ?」
引きつった私の声は驚いたクロウリーさんの大きな声でかき消された。
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんてありえない!生徒選定の手違いなど、この100年ただの一度もなかったはず。一体なぜ……」
あ、確かこの後グリムが……
「もごもご……ぷはぁ!ならその席オレ様に譲るんだゾ!」
クロウリーさんの拘束が緩くなったのを見計らって抜け出したグリム。
やっぱりこうなったか。
ぴゅーっとクロウリーさんの手から離れて飛び去っていくグリムを捕まえようとしてもするりと抜けて行ってしまった。原作を見ていても思ったけど、グリムって結構素早いな。
「こら!待ちなさい、この狸!!」
「そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ!見せてやる!」
「みんな、伏せて!!」
次の瞬間、ぶわりと周囲に真っ青な炎が広がった。こんなことしたら余計に入学なんてさせて貰えないと思うのにどうしてやっちゃうかな……。
炎から逃れようと一歩後ずさるとそのままぐいっと力強く手を引かれた。
「君、魔法が使えないならここにいるのは危ない。邪魔にならない場所に避けていたほうがいい」
「あ、ありがとうございます」