The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「……ひっ!」
「何か……?ど、どうしたん……ってなんだ、あれ!」
ゴーストとは全く違う。あの巨体を見て思い出した。インク壺のような頭!どろどろとした黒いオーラがあって、思っていたよりも恐ろしい姿をしている。
あのゲームで出てきた姿ってことはこの近くに魔法石があるんじゃ……。
「……さぬ……うぅ…ゆる、さぬ。イシ、イシは……オデノモノ……だああぁアアアアア!!」
奥から現れた巨大な姿に二人と一匹は悲鳴をあげた。
ランタンとツルハシを持っていてまるでどこかの小人…。頭の水晶はひび割れて黒い液体が漏れ出ている。確実にやばいやつだってことはわかる。
エースとデュースの後ろでじっとあのバケモノを見つめた。
「なんだ、あのやばいの!?」
「ふな"ああああ!!!無理無理!あんなのいるなんて聞いてねーんだゾ!!早く逃げろ!」
グリムは悲鳴あげるというより、もう泣いている。
プルプルと体を震わせて私の足に抱きついた。こういうのは平気な方の私でもこれは怖い。
「めっちゃエグい!でもアイツ、石がどうとか言ってなかった!?」
「石って…もしかして魔法石か!?」
ぱっと表情が明るくなるデュースに対してグリムは首を振って後退る。魔法石といってもこの坑道の壁にはそこかしこに鉱石が埋まっているから一体どれが魔法石なのかわからない。
「いくらオレ様でもあんなやつとなんて勝てっこねえんだゾ!!」
「けど、持ち帰らないと退学になっちゃう!」
「そうだ。僕も退学させられるわけにはいかない……僕は行くぞ!」
「はぁ?!じ、冗談でしょ!?」
エースがぎょっと目を剥く。たった一人でバケモノに向かっていこうとするデュースを止めようと服を引っ張って止めてもどうやら決意は固いようだ。
「一人じゃ無理だよ!あいつに一人で挑むなら魔法使えないから囮としてあいつを引きつけることだってできるから!」
「お前も何言ってるわけ!」
「俺は、絶対に退学させられるわけにはいかないんだ!」
デュースは私たちを振り切るとペンを片手にバケモノの元に駆け寄っていく。ダメだって言ってるのに!!なんでこうも話聞かない人たちばっかりなんだ?この世界の人って!!
力一杯服を引っ張って止めようとしたのにあっさりと振り解かれた手を見つめてただただ悔しくなる。