The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
すると、私の息切れのしながら二人に向かって叫んだ声が届いたのか途中でエースが引き返してきた。
「ちっ!ほら、手出せ」
「え、エース?!」
走りながら私に手を伸ばすエースの意図が掴めず、きょとんと見上げると早く!と怒鳴られて慌ててエースの手を掴んだ。そのままエースはデュースの元まで手を引いて走ってくれる。
エースがこういうことしてくれるなんて。
驚きながら必死に足を動かすことだけを考えて走り続ける。
それから坑道のなかを必死に走り回ると今だに追いかけてくるゴーストたちを撒くために曲がり角を使いながら全力疾走した。
こちらを追ってきていないことに気づいた時にはもう疲労困憊だ。
「おい!ゴーストたち、もう追いかけてきてねえゾ!」
「ようやく振り切れたか……」
「はぁ…疲れたー、体力ないとは思ったけどお前があんなすぐにバテると思わなかったからほんと!焦ったー」
「は…はぁ……ご、ごめ、ん。こほっ…けほっ…」
息切れがおさまらなくて、必死に息を吸うと咳き込んでしまう。止まらない咳を止めようと大きく息を吸って吐くのを繰り返すだけでもだいぶ楽になる。
デュースは心配そうに私の背中をさすってくれた。
「大丈夫か?凄い苦しそうだ」
「いつも、こと。…はぁ…….ふぅ。運動する機会があんまりなくて…ちょっと走るだけで息切れが酷いことになるの。こほっ……酷い時は気持ち悪くなって吐いちゃったこともあるから更に運動しなくなっての繰り返しで体力がほとんどないんだよ……」
「そんなんでよく学校の運動の時間、やってこれたなぁ…」
呆れるエースに言い返すこともできず、息を整えた。うぅ。足痛い……これ明日は筋肉痛で起きられなくなるんじゃ。少し恐ろしいかも。
「すまない。疲れてるだろうが、もう少し進めるか?」
「ん。平気だよ。疲れてはいるけど、それより早く魔法石を見つけないとだもんね」
「あぁ。ゴーストで時間を取られてしまったから。先を急ごう」
デュースの言葉に頷いて坑道の中を更に進もうとした時だった。風の音とともに何かと音が混じっているいるような音が聞こえた。
水の音とかじゃない。もっと低くて、呻き声みたいな。その音がだんだんと大きくはっきりと聞こえてくる。
「待って!エースくん、デュースくん、グリム!何か近寄ってきてる。呻き声みたいな声が……」