The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
水が落ちる音でさえ反応してビクビクといちいち反応しながら進むグリムに思わず苦笑した。
それじゃいつまで経っても前に進めないよ。
「グリム、そんなに怖いなら無理して先頭歩かなくていいんだよ?」
「ふ、ふんっ!オレ様は親分だからなっ!子分の面倒を見るのは当然なんだゾ!」
「本当?でも私がちょっと怖いからグリムと一緒にいないと怖くて進めないなぁ……」
「し、仕方ねーなぁ。その、子分が怖いなら一緒に行ってやるんだゾ…」
本当意地っ張り。怖すぎて足が震えてるくせに。
それと君たち、肩震えてるから。
確かにあからさまだったけど、グリムは気づかなかったんだからいいじゃん。
炭鉱の中を見回しているとふと青白いものが見えた気がして立ち止まった。
「ねぇ、向こうに何かいない?」
「?なんだ……って…ゴースト!?」
「ひぇっ!」
私が見えたものは二つの青白い影。相手のゴーストも私たちの声に気づいてふわふわと近寄ってきた。それに合わせてグリムの体がびくりと揺れた。
なんだか凄く見覚えのあるゴーストたちだ。
でも似てるというだけで寮にいたゴーストたちとは他人?みたい。
「ヒーッヒッヒ!10年ぶりのお客様だあ!」
「ゆっくりして行きなよ。永遠にね!」
そこは寮のゴーストと同じこと言うのね……。
ゴーストたちにとってゴーストジョークってことでいいの?
「ふぎゃぁ〜〜〜〜っ!!ででででたーーーっ!!!」
「ちょ、落ち着けって!」
「ゴーストに構ってる暇なんてないのに!
…こうなったら走ってゴーストを撒こう、僕に付いてこい!」
走り出したデュースにみんな必死に走ってついていく。時たまエースが振り返ってゴーストたちに風魔法を放って妨害をしていく。
二人は勿論のこと、グリムの足はその小さな体の割に二人に追いつける程度には早い。多分ゴーストに追いつかれるのが嫌で火事場の馬鹿力のごとく普段の倍のスピードで走れているだけかもしれない。
足が遅く、さらに体力も壊滅的に足りない私はすぐにへばってしまった。
「…は、…ふ……はっ。二人、とも。…待ってっ」
無理、走れない。ここまで来たら私のことは置いて行って欲しい。どう頑張ったって追いつけそうにないんだし。