The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
それにしてもこの鏡が移動に使えると学園長は言っていた。
どうやるのか二人は知っているのかな。
すると、デュースは鏡の前へ立つと、高らかに鏡に向かって叫んだ。
「闇の鏡よ、
僕たちをドワーフ鉱山へ導きたまえ!」
デュースの言葉に反応して鏡は強い光を放つ。
うわっ、眩しすぎる。
人工的な光とはどこか違うけど、感覚的には夜中に車のライトを眩しいと感じるのと似たような感じ。
咄嗟に目を細めたけど、これは正解だったね。
鏡にそのまま進む二人に習ってグリムを抱きかかえながら進むと鏡に体が当たったと思った瞬間、胃が浮くような浮遊感に襲われ、気づくと薄暗い森の中で立っていた。
「これが空間転移魔法…なんか移動する感覚がエレベーターのふわっとした感覚に似てる…」
ジェットコースターほどの恐怖や平衡感覚を失うってことじゃないけど、高い場所から降りるときのエレベーターの感覚に似てるように思う。
「あー確かに言われてみるとそうだな。この感覚に慣れると平気なんだが、普段鏡を使った移動をしないと転移酔いするらしいから。
まぁユウとグリムは平気みたいだな」
「楽勝なんだゾ!それより鉱山はどこだ?この辺、木ばっかりでそれっぽいところが見当たらないんだゾ……不気味で何か出そうなんだゾ……」
グリムってモンスターって存在なのにゴーストとかそこまで怖くないものに怖がるよね…そこがちょっと不思議だなと思いながら涙目になるグリムの頭をポンポンと撫でる。
耳の炎が感情に合わせて小さくなるのがなんか面白い。グリムの炎、そこまで熱くないことに気づいてから普通に触れるようになって凄い癒される…。
まぁ確かに鬱蒼と生い茂る森の中は当然街灯なんて存在しないから月明かりだけが、頼りになるくらいの暗闇に鳥とかの鳴き声も聞こえないからいっそう気味が悪いと思っても仕方ないか。
エースが火の魔法でランプに火をつけても周囲が少し照らされただけで森の奥の方はよく見えなかった。
周囲を照らして探していたエースは少しして小さく声を上げた。
「…お、なんか奥の方に家があるぞ。話聞きに行ってみるか?」
「こんな森の中に住んでる人なんているの?」
辺境に住む人は沢山いるけどここは本当に人気がなさすぎるから家って空き家なんじゃ。
エースの言う方向を見ると確かに木の影に小屋が見える。