The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「はい、これで終わり。キツくないかな?動かしにくいところあったら巻き直すけど」
手のひらをぎゅっと握っても解けないし、平気だと思う。というか包帯ってそんな怪我じゃないのに大袈裟だ。
「そうですね……大丈夫そうです。私は生徒じゃないのにわざわざありがとうございます」
「いいや?生徒さ…それともこれから生徒になる、かな?」
「それはどういう…」
「くくっ……さぁ!そこの二人と一緒に鉱山へ行くんだろ?行った行った!あ、包帯は明日また変えて様子を見たいからいつでも気軽に来てくれ」
何も言っていないのにあっさりと当ててきた。にこにこと笑う先生はなんだか底知れない雰囲気を感じた。
「なんか変な先生だな、オマエ」
「こら!グリム!ご、ごめんなさい。先生」
そういうのは思ってても本人の前で口にしちゃダメでしょうが!
エースはグリムの反応に思わず笑い堪えるのが必死でデュースはどうしたらいいものかと慌てている。まさに三者三様の反応を見せる中、先生はひらりと手を振るだけだった。早く行ってこいってことかな?
保健室から出るとエースは耐え切れなくなったのか思いっきり笑ってるけど多分この声保健室まで聞こえてるんだろうな。
「くは、あはは!グリムの反応おもしれー」
「ふなっ?!」
「はぁ……グリム、そういうのは本人の前で話したらダメだろう?そういえば、名前…ユウでいいか?」
「?そうだよ」
「一緒にドワーフ鉱山まで行くなら先にその荷物置いてきた方がいい。鏡の間に現地集合にしないか?」
「お、さんせー」
確かにその方が助かる。荷物いつ持って帰れるのか心配だったからなぁ。いいよと笑いながらそこでひとまず解散した。
***
入学式が行われた会場の鏡の間はいつ見ても不思議な雰囲気を持つ場所だ。周りにはこの世界にきた時よりも少ないけど棺桶が浮いていて、中央にポツンと鏡が浮かんでいる。
エースとデュースの準備は既にできていたようで鏡の前に集まっていた。
「お、ちゃんと来たな」
「遅かったじゃないか。大丈夫だったか?」
「ごめん、待たせちゃったね…」
「それにしても…なんっでこんな事になっちゃったんだろうな。ついてなさすぎる…」
「ぶつぶつ言ってないでドワーフ鉱山に向かおう」
エースは不満そうな顔をしていたけど、サボろうとしたエースも悪いと思う。