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The end of the story 【ツイステ】

第3章 penaltyコンビ





「それでエースくんとデュースくんの退学が無くなるならお願いします。行かせてくれませんか?」
「退学が撤回されるなら僕も行きます!」
「分かりました。では一晩だけなら待って差し上げます。明日の朝までに魔法石を持って帰れないのなら君たち退学です」
「はい!……ありがとうございます!」

よかった。ひとまずこれで明日の朝までと猶予ができた。私のことについて言及はされなかったけど、すぐに追い出された可能性だってあるんだよね。
ほっとして息を吐いた。ここから追い出されてたら本当に行く当てがない。
リドルさんに相談したら戸籍がなくても就職できる仕事を紹介してもらうとか流石にリドルさんでも難しいよね……。


「…しゃーない。んじゃ、ぱぱっと行って魔法石を取ってきますか!」
「ドワーフ鉱山へは鏡の間の扉を利用すれば、すぐに行けるでしょう」
「鏡の間の扉…?っていうとあの入学式の時に使ってた喋る鏡ですよね。わかりました」

私の帰る場所はないと容赦なく告げてきたあの鏡を思い出した。あの鏡、装飾は綺麗なんだけど浮かび上がる仮面のようなものが少し不気味だ。
あそこにまた行くのかと少し気落ちしながら未だ目を回しているグリムを抱き抱えた。

正直このままずっと気絶してた方が静かでいいかもしれない。


「あ、ちょっと待ってください。ユウくん」
「?はい」
「ちょっと手を出してみなさい」

きょとんと学園長を見上げるといつものふざけた感じが無くなって真剣な顔だった。
なんだろう。よくわからないまま言われた通りに手を差し出すと私の手をとって手のひらを見た。

「やっぱり。あなた先程素手で破片を拾い集めていたようですが、手がボロボロじゃないですか」
「うわっ!本当だ、大丈夫か?ドワーフ鉱山行く前に保健室に行くか?」

デュースは私の手を見て目を見張った。ガラスの破片で切れてしまったのかまだ血が止まっていなくて
血塗れ。酷い有様になっていた。
あんまり痛くなかったから気づかなかった。グリム抱き上げた時に私の血、ついてないかな?

…うん。抱えた方の手が利き手じゃなかったから毛が少し逆立っただけで大丈夫そう。血がついたらせっかくのグリムの毛並みが汚れちゃう。

今まで意識していなかったけど、気づいたらじくじくとした独特の痛みが存在を主張するように痛み始める。



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