The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「このシャンデリアは、ただのシャンデリアではありません。魔法を動力源とし永遠に尽きない蝋燭に炎が灯る、魔法のシャンデリア。伝説の魔法道具マイスターに作らせた逸品です。
学園設立当時からずっと大切に受け継がれてきたというのに……歴史的価値を考えれば10億マドルは下らない品物ですよ。それを弁償できるとでも?」
「…ひぇっ…じゅ、10億マドル?!……っていくらだろう……」
「わからないで驚いたのかよ…まぁ確かに想像できない金額だけどさ」
だって日本の通貨単位と違うから日本円にしての10億円とは違うかもしれないじゃん。
一般庶民には手の出しようがない、とんでもない大金ってことは分かるけどさ。
「……なんとか修理することはできないんですか?魔法で直すとか……」
「魔法はそれほど万能ではないんです」
「私からしたら十分万能だと思うのですが……そうなんですね」
魔法があれば徒歩で歩かなくていいし、掃除も魔法があればすぐに終わってしまうんだから。
「それに魔法道具の心臓とも呼べる魔法石が割れてしまった。魔法石に2つと同じものはない。もう二度と、このシャンデリアに光が灯ることはないでしょう」
「じゃあ、このガラスを集めてもあまり意味はないってことですか?」
重い溜息を吐く学園長にやっぱり体を売るしか……ないかな。デュースはこの学校に思い入れでもあるのか退学の一言で酷くショックを受けたのか青ざめていた。
どうにか退学の取り消しをしたいけど、どうしたら……全く頭に思い浮かばない。魔法の使えない私が出来ることがあるのかな。
「…そうだ。一つだけ……直す方法があるかも知れません」
「え、本当ですか?!」
「このシャンデリアに使われた魔法石は、ドワーフ鉱山で採掘されたもの。
同じ性質を持つ魔法石が手に入れば、修理も可能かもしれません」
「僕、魔法石を取りに行きます!」
「はぁ……もう少し話を聞いてください。鉱山に魔法石が残っている確証はありません。
あそこは閉山してしばらく経ちますし、魔法石が全て掘り尽くされてしまっている可能性も高い」
それでも行きますか?と私たちを試すような目が私たちを見る。正直に言って私は役に立たないかも知れないけど、このメンバーだとグリムとエースが喧嘩しても止めるのがデュースしかいなくて大変だろう。
巻き込んでしまった責任はちゃんと取らないと。