The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「……あ……学園長」
「あなたたちは!!一体、何をしているのですかーーー!!??」
「そ、その……が、学園長。これには……理由が……」
どうしよう。このままじゃ学園から追い出されてしまう。頭の中はそのことでいっぱいになり、しどろもどろになりながら理由を説明しようとするが、怒り心頭に発した学園長には私の声が届かない。
「グレート・セブンの石像に傷を付けただけでは飽き足らず、シャンデリアまで破壊するなんて!もう許せません。全員、即刻退学です!!」
「た、退学って……」
「そんな!どうかそれだけはお許しください!俺は、この学校でやらなきゃいけないことがあるんです!」
「…せめてデュースくんは退学は免除してください!デュースくんはサボろうとしたエースくんとグリムを捕まえるために協力してもらっただけで巻き込まれただけなんです!お願いします!!
……弁償のためなら代わりに私を売ったって構いません。嫌だけど体を売ることだってできます!」
学園長の腕を掴んで必死に頭を下げた。頭の上で売ると言う言葉に反応してひゅっと息を呑んだ音が聞こえたけど、気にしなかった。私がグリムから目を離してしまったせいで起こったようなものだから私がちゃんと責任を取らなくちゃいけないとただただ必死だった。
「お、おい!何を言って…」
「私くらいで弁償になるのならそれくらい安いものです!」
エースが慌てて私を止めようとするけど、それどころじゃない私は学園長をじっと見上げた。
学園長は動揺しながら目の前の人物が何を言っているのかよくわからないと首を傾げた。
「売るって……そんなことするわけないでしょう。そもそもそれだけじゃ全然足りません」
「え……じゃあ、この世界って臓器とかって売れますか?売れるならそれを……」
「物騒な方向に持っていかないでください!私がそんなことすると思っているんですか?!
あぁ、もう…恐ろしい」
本当にそう思ってるのかな。学園長は仮面で表情がわからない顔で大袈裟に怖がってみせた。
そっか、この世界じゃ臓器ってあんまり高値で売れないのか……。
死なないならいいやと思ったんだけど、シャンデリアの弁償にできるほどの価値がないのなら仕方ないか。
ぼーっと見上げていると学園長の表情が少し引き攣ったような気がした。