The end of the story 【ツイステ】
第3章 penaltyコンビ
「そうだ……いいアイデアがある。あそこまで投げればいいんだっ!」
「いいアイデア……ってちょちょ。何でマジカルペンこっちに向けてんの?!」
「お前を投げればいいんだっ!」
突拍子もないことを思いついたかと思えば、デュースはマジカルペンというペンをエースに向けて上に持ち上げる様な仕草をする。
するとひとりでにエースは地面から軽く一メートルくらい浮かぶ。本当に浮かんだ!!って感心してる場合じゃない!
早く止めなきゃ!最悪怪我だけじゃ済まなくなる!
「はぁ!?え、えええっ!ちょ、流石にそれはダメだって」
「じょ、冗談でしょ!?うわわわっ。お、オレを投げる気かよ!やめろ!」
「しっかりグリムを捕まえろよ?」
「デュースくん!ダメだって!」
これ以上はまずいとデュースを止めようとするが、あと一歩遅く、ペンを勢いよく振るった後だった。
エースは悲鳴をあげて食堂の天井へと飛んでいき、見事にジャンデリアにぶつかって重力に従って落ちてきた。ちょ、デュースくん。後先考えずに魔法使ったでしょ!
確かにグリムはエースと一緒に落ちてきたけど!!
シャンデリアまで落としてどうすんの!!
照明部分はガラスで出来ていたのか地面に叩きつけられた瞬間、凄まじい轟音とともにガラスが割れるような音が食堂内に鳴り響いた。
「しゃ、シャンデリアがー!!!」
「しまった……着地のこと考えてなかった…」
「エースくん、グリム!大丈夫?!怪我はない?」
シャンデリアの下敷きになって目を回しているグリムを引っ張り上げる。後頭部を打って気絶したみたい。ガラスで切れてはいないようで血は出ていないのでほっと胸を撫で下ろした。
あの高さから落ちてたんこぶだけで済むんだからモンスターってわりと頑丈なんだね。
エースはガラスの破片が当たったようだけど、こっちも無事だ。
ガラスの破片があたりに広がってしまって、慌てて
残骸を手で拾い集めた。壊れてしまったものは仕方ないけど、少しでも破片が欠けたら修理もできなくなってしまう。
「おっま……バッッッカじゃねぇの!!!??グリムは捕まえたけど、シャンデリアぶっ壊したのが学園長に知れたら……」
「知れたら……何ですって?」
慌てるエースの後ろに不思議な仮面をつけた男性が立っているのに気づいて思わず私の顔は血の気が引いた。