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The end of the story 【ツイステ】

第2章 encounterボーイズ



あの鏡で寮まで瞬間移動できるっていうんだから魔法って凄い。
丁度生徒のみんなは寮へ帰るところだったらしくぞろぞろと人が鏡の中へ消えていく。その人の中にこっそりと鏡舎に入ってくるエースの姿を見つけた。
私たちが人の影にいて気づかなかった様だ。

「窓拭き100枚なんてやってられるかっての。さっさと帰って…」
「こーーらーー!待つんだゾ!!一人だけ抜け駆けなんてさせないんだゾー!」
「げっ!こんなところまで来た!!待てって言われて待つわけないっしょ!」

エースが私たちの制止を振り切って寮の鏡に向かって走っていく。鏡の近くには寮に入ろうとしていたのか真っ直ぐにハーツラビュル寮への入り口を潜ろうとしている人がいてエースは押しのけて駆け出した。
突然のことに押しのけられた人はぽかんと鏡に向かって走っていく存在を見つめていた。

「そこの人!今の押しのけた人、捕まえてください!掃除をサボろうしている悪い人なんです!」
「えっ!!お、おう!それは悪いやつだな!人を捕まえるにはえ……っと。…ええっと」
「あ、逃げられちゃうっ!」

頑張って案を頭を捻って考えてくれてるみたいだけど、そんなに悠長に考え込んでいる暇なんてないよ!
エースはもう鏡の近くまで来ていた。

「なんでもいいからぶちかますんだゾ!早く!」
「え、な、何でも?!何でも…何でもいいから出てこい!…重たい物っ!!」

彼は慌てて胸元のペンを一振り。すると物凄い音がエースの呻き声とともに鏡舎の中で鳴り響いた。
その余りの煩さに周りで野次馬としてこちらの様子を見ていた者たち、主に耳の生えている人はぎゅっと耳を押さえていた。
あ、尻尾も下がってる。ガタイのいい男の人に獣の耳と尻尾生えてるってなんか面白いな。

何もないところから出てきたのは大きな鍋の様なもの。それが勢いよく上から降ってきたものだからエースはその鍋に押し潰され身動きが取れなくなっているようだ。

うわーこれ当たりどころ悪かったら押し潰されるだけじゃ済まないぞ……?

あの人、真面目そうに見えて容赦がない。

「ぎゃははは!見てみろ、ユウ!エースのヤツ、でっけぇ釜の下敷きになってペッタンコになってるんだゾ!だっせーんだゾ!」
「何これ……大きな鍋?というかエースくん、大丈夫?大きな怪我は見た感じ無さそうだけど」

この鍋、薬草とか煮るのに使う大釜ってやつ?
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