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The end of the story 【ツイステ】

第2章 encounterボーイズ



妹か弟とかいるのかな?頭を撫でてくれる手つきは優しいもので、どこかリドルさんの撫で方にも似ている。


「あぁ。よくわからないけど頑張れよ。あと、あんまり走りすぎて転ばない様にな」
「はい!」

頭を一度下げてグリムの声が聞こえる場所を探して走っていく。廊下だからここの先生に知られたら怒られるだろうけど、グリムを捕まえるためにもどうか許して欲しい。これ以上余計にグリムが喧嘩を売ったり、買わない様にするためにも。

「あいつが魔法の使えない雑用係……あのリドルが目をかけるなんて何かあるのか?後でそれとなく聞いてみるか」

自分よりも一回り以上小さな背中を見送るとひとまず御機嫌取りをしますかとふと息を漏らして自分の寮へと向かった。

**

「はぁ…げほっ…つ、つか、まえ」
「オマエ、流石に疲れすぎじゃねぇか?」


咳き込みながらグリムの体を捕まえた。走り回っているうちに冷静になれたのか最初よりか怒りが薄まっている様で私にあっさりと捕まってくれた。
それよりも私の体力の無さに呆れ果てている様にも見えるけど。

気にしない!体力ないの事実だし!


「う。仕方ない、よ。……ふ、う。私はインドア派なの。走る機会なんて全然無いんだからね」

グリムの言い方はちょっとムカつくとは思うけど、正直事実である。
って……そんな私のことよりもさっき先輩から聞いたことを話さないと!

「グリム、さっき親切な先輩がエースのクラスを教えてくれたからひとまずそこを寄ってみよう」
「お!流石、子分!気がきくんだゾ!早速、教えるんだゾ」
「1年A組だって。確かここの近くだね」
「ユウは方向音痴だからオレ様が案内してやるんだゾ?感謝して欲しいんだゾ」
「あはは。ありがとう、グリム」

ふふんと胸を張って偉そうなグリムの案内の元、教室へ向かってみると教室は既にがらんどうだ。
こうなることは予想はついていたが、もう寮に戻ったか、それか部活に行ったか……初日なら寮に行ってる可能性が高いな。


「くっ、もう誰もいないんだゾ!一体エースは何処に行ったんだ!!」
「いいや、私がいるよ」
「え、うわっ!今の声ってこの絵?!」
「ふぎゃー!!絵がしゃべった!!」


そこにあるのはなんの変哲もない壁に飾られた誰かの肖像画…のはずが、確かに誰もいない教室で話しかけてきそうなのはこの絵しかない。


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