The end of the story 【ツイステ】
第2章 encounterボーイズ
「罰をオレ様たちに押し付けるなんて許せねえんだゾ!おい、ユウ。エースをとっ捕まえて窓掃除させてやるんだゾ!!」
「あ、ちょっと待って!そもそもグリムってエースの教室知ってるわけ?!」
思いついたら行動が早い。あっという間に飛び出していくグリム。
はや……このまま行くと完全に置いていかれてしまうが、正直間に合いそうにない。
人より体力のない私はすぐにへばってしまった。
膝に手をついて肩で息をする。……グリム、恐るべし。
「……はぁ……ん、けほっ……は、ふ。こほっ」
うぅ、走りすぎると気持ち悪くなるから嫌なのに。
そもそもエースの教室知らないのに闇雲に探したってその隙に本人が寮に戻っちゃうよ。
すると、私の様子を見かねて誰かが話しかけてくれた。なんとなく大人っぽい雰囲気が感じ取れた。
「なぁ、大丈夫か?苦しそうだが……」
「え……あ…すみません。こんな道の真ん中で…騒いじゃってすぐにあの毛玉は…捕まえるので」
「それは別にいいさ。何かあったんだろ?ひとまず深呼吸した方がいいぞ?」
「すみません……」
呼吸を整えるために深く息を吸って吐くと気持ち悪さは少しは薄れた。
その顔をよく見るとエースと同じ様に顔にペイントが塗られている。食堂でもちらほらと似たようなペイントをしている人がいて、これはハーツラビュル寮の特徴?でも、リドルさんはやってなかったけど寮長だと例外という扱いかな。
「助かりました…少しお聞きしたいのですが、ハーツラビュル寮の一年のエース・トラッポラくんの教室が何処なのか、知っていますか?」
「ん?うちの寮の?エース……というと今日ハートの女王の像を黒焦げにしたっていう。あまりにも問題児だからリドルがカンカンに怒っていたな。今すぐに首を刎ねてやる…って」
「リドルさんが……?でも、昼に会ったときはとっても優しかったですよ」
確かにエースは問題児って感じ、でも首を刎ねるってハートの女王じゃないんから……流石に物理じゃないことを祈りたい。
「リドルに会ったのか?へぇ、優しかった……ね。少し聞いてみたいが、どうやら急いでいる様だな。
エース・トラッポラの教室なら確か1年A組だったはずだ」
「本当ですか!助かりました、情報の提供ありがとうございます!」
ぺこりと頭を下げるとぽんぽんと頭を撫でられる。手慣れているなぁ。