The end of the story 【ツイステ】
第2章 encounterボーイズ
ふふ、完璧な飼い猫状態だ。
魔法を持ち出されると敵わないけど食事を持ち出せば大人しくなるのはもう分かっているので。
どうして自分がこの学園に来たのかわからないと思ってはいるが、実は選ばれる素質は十分にあったというわけである。
その後私とグリムは黙々と作業進め気づけば放課の時間になっていた。学園長の言いつけ通りに大食堂に行くとちらほらと生徒とゴーストたちがいる。
でも……肝心の朝に会ったエースが来ていない。
「エースって人。まだ来ていないみたいだね。さっき授業終わったばっかりだしもう少しかかるかもね。この学校、とっても広いから」
「確かにそうだな。そのせいでユウが何度迷子になったことか分からないな。逆になんで昼は大食堂に辿り着けたのか不思議で仕方ないんだゾ」
「昼は単純に沢山の人が向かっていく方向に向かって流れるままに進んでいったら辿り着けたんだ。ちゃんと一人でも辿り着けてよかったよね。
あははは」
「笑い事じゃねえんだゾ……」
自分の方向音痴加減に諦めたように笑う私に流石のグリムも引いたのか呆れた表情を見せていた。正直最後の方はナビみたいな役割になってたもんね。
いやぁ、本当に申し訳ない。
それから二人でエースが来るのを待った。時間が経つにつれ、イライラしている様子のグリムに目を離さないようにしながら食堂のゴーストたちから借りたバケツに水を入れて窓拭きの準備を整える。
高い位置にあるやつは脚立か、専用の窓拭きの道具を取ってこないと。
「あいつ…遅いんだゾ。まさか来ないんじゃないんだろうな」
「もう少し待ってみよう。ちらほら授業終わりの生徒が出てきたし」
増えてきた食堂の人たちを見ていった。朝にあったエースの様子じゃグリムの言い分はわかるが。しかし、いつまで待ってもエースは大食堂に現れない。すでに放課の鐘が鳴ってから三十分以上経っていた。
うん。これはサボったな……。
「流石にいくらなんでも遅すぎるんだゾ!」
「うん、ちょっと教室までいって探しに行こうか」
我慢出来なくなってその場で叫び声をあげるグリムに同意して頷いた。最後に報告に行くときにサボったことを伝えることを忘れているのだろうか。
今の掃除から逃れても何かしらの罰を受けることになるのは変わりないのに。ひとまず掃除させないとこちらも学園長に怒られてしまう。