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The end of the story 【ツイステ】

第2章 encounterボーイズ






「全く…このボクがいいというのだから素直にお聞き。
ボクの勉強の邪魔をしないのならと言っているだろう?」


それとも君はボクがそんな親切じゃないように見えるのかい?とじっと見つめるリドルに慌てて私は了承の言葉を言うことしか出来なかった。
なんか地味に静かな圧力を感じる。
本人には言えないけど、中性的な容姿から出るとは思えない威圧的な態度がこう感じさせるのかな。

「うん。よろしい、それじゃあボクはこの後実験着を着替えないといけないから食堂には一緒に行けないけど一人で大丈夫そうかい?」
「は、はい!ここまで付き合ってもらってすみません。それじゃあ、お先に失礼します!」
「あぁ。気をつけていくんだよ。うちには頭の痛いことに柄の悪い生徒が沢山いるからね」
「小鬼ちゃんたち、またの利用をお待ちしているよ」


サムさんとリドルにぺこりと頭を下げて大食堂に向かっていく。その後ろ姿をリドルはじっと見ていた。普段ならこんなこときっとしない。
いつも寮生のことで頭を悩ませているリドルは他の生徒に関しては校則を守っているのならと進んで関わろうとはしていなかった。どうも彼を見ているとほっとけないという気分になった。魔法が使えないからと学園に入れず、帰る場所も見つからない彼に同情したから?
いや…何か別の理由があるのかもしれない。


「ふふ、若いねぇ。小鬼ちゃんにも春が来たのかもしれないね」
「サムさん…一体何のことだい?それにそんなニヤニヤと……よくわからないけど、ひとまず今日はこれで失礼させてもらうよ。近々また何でもない日のパーティーを開くからその時はよろしくお願いします」
「あぁ、いつもセンキュー。小鬼ちゃん?」


リドルはまだあの人物が中心になって学園を巻き込むほどの騒動が巻き起こっていくことをまだ知らない。この世界はその時が来るまでただひたすらと時を進ませているだけである。

***

「ったく、遅かったじゃねーか。子分」
「ごめんね、もう食べ終わっちゃった?」
「そうだゾ。もしかしてユウ、また迷ったのか?どんだけ方向音痴なんだゾ」
「あはは…否定できない…うん。グリムの言う通り、また迷子になっちゃって。途中であったここの生徒の上級生に親切に案内してもらったんだ。でもお陰でちゃんとグリムのツナ缶も買えたよ」

ほら見てと買い物袋の中をグリムに見せる。

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