The end of the story 【ツイステ】
第2章 encounterボーイズ
これなんかよくわからない動物の剥製だし、あそこには鏡なのに映らない鏡がある。宝箱みたいなものが置かれているし、万屋どころじゃない。
しばらくリドルさんの寮の話……主に寮生に問題児が入ってきてしまったことの愚痴である……を聞いているとサムさんが戻ってきた。
「お待たせ小鬼ちゃん。こっちがノート。それからメモにあったもの。これで合ってるかな?」
渡された袋を開けて確認してみるとツナ缶と服、日用品。それから私にとっては一番大切なものが入っていた。購買にあるかは一か八かだったけどあって良かった。
「いつもありがとうございます、サムさん。また来ます」
「…はい!これで全部です!本当に助かりました!これでいくらですか?」
「6800マドル。小鬼ちゃんは初めてのご利用だからサービスしとくよ?」
「え、いいんですか?!ありがとうございます!えと……リドルさん、これで足りますかね?」
学園長からもらったお金を封筒から出す。日本と単位が違うからどのくらいの価値があるのか分からないが、おそらくこれが数字だろう。私の国の言語じゃないって分かるのにこれはこの数字だと脳内変換してくれるのは唯一助かっていることとだ。
「ん?あぁ、これがもう二枚いるよ……ってもしかして君………お金の使い方が…」
「すみません、私の故郷と通貨と通貨単位が違うので分からないんです.…」
「マドルは世界共通のはずだけど…そんな辺境があるのか……」
リドルさんは戸惑いながら私を見つめていた。そりゃそうだ。お金の使い方なんて小さな子どもでも分かることだからね。取り敢えずリドルさんに言われた二枚を追加して支払った。
流石のリドルさんも困惑して次に会ったときに通貨について教えると約束を取り付けられた。
リドルは自分にも他人にも厳しいが、元来面倒見がいい一面もあるので何も知らない目の前の人物が幼児のように思えたのだ。
「…もし分からないことがあったらボクが教えよう。基本的には放課後よく図書館にいるから勉強の邪魔をしないなら聞きにおいで。
確か図書館は生徒じゃなくても入れるから」
「うぅ…助かります。でも、リドルさんって寮長で忙しいですよね…そんなにご迷惑はかけられませんから気持ちだけで充分です…」