The end of the story 【ツイステ】
第12章 Confusionトゥルース!
「一年生以外のクラスまで来たの久しぶりだなぁ」
「あれ?来たことあったか?」
「一度だけね?タルト作りを手伝ってもらいたくてカリム先輩を頼ったの。ジャミル先輩はカリム先輩のお願いを無碍にはしないと思って」
お菓子作りまでできるかどうかまではわからなかったけど、完璧主義な所のある先輩のことだしお菓子作りにも手を出してそうだなあってだけだ。
「キミがくれたタルトに残っていた状態保存の魔法がかかっていたけれど、そういうことか。あれはジャミルがかけたものだね?一年生にはまだ難しい魔法だし、グリムには使えそうもないものだから不思議に思っていたんだよ」
「あはは…実はそうなんです」
「えー?なになに?なんの話?」
「む、オレ様だって…じょうたいなんとかって魔法くらい使えるようになってやるんだゾ!」
「未来の大魔法士様だもんね!グリムならすぐに使えるようになるよ」
にっこりと笑いかけながら励ますとグリムはすぐに機嫌を持ち直した。その様子に横からあまりグリムを調子に乗らせない方がいいという呆れたような声が聞こえた。
確かに調子に乗ってどんな大事件になるかわからないけど……むしろグリムの場合はちょっと調子に乗っていた方が自分から成長できていることに一緒に過ごしてきた時間の中で気づいてきた。
やりたくないものは中々やろうとしないが、大好きな食べることに関しては人一倍…人じゃないけど興味を示す。そうやって興味の示せるものを少しずつ増やしていけるようになるといいのだけど。
「んーよくわからないけど、なんだか監督生ちゃんが猛獣使いって呼ばれるのもわかる気がするなぁ」
「そうですか?それにしてもそれよく知ってますね。もしかして、エースが話しました?」
「監督生ちゃんについて聞いてる時にちょっとね?元々雑用係みたいだったのにどうして学生になれたのか気になってね……っと。ここだね、ラギー・ブッチくんの教室」
「あぁ、早速中に入ろう」
教室を覗いてみると数は少ないが、朝食の終わった生徒がちらほらといるようだ。突然教室に入ってきた私たちに不思議そうな顔をする生徒たちの中に探していた人はいた。
「いた。あの子がラギーくんだね」
「あぁ。キミ、今いいかな?」
くるりと振り替えると寮長にオンボロ寮のメンツというラギー先輩は不思議なメンバーに驚いていた。