The end of the story 【ツイステ】
第12章 Confusionトゥルース!
幸いなことにこちらの会話までは騒がしい食堂のおかげで聞こえてはいなかったようだ。
「むぐむぐっ!プハッ…何するんだゾ!」
「もし犯人が食堂にいたら話してること知られちゃうでしょ?」
「どうしたんだ?グリム、突然大きな声を出して…あ、お腹空いてるならジャミルの作った弁当一緒に食うか?すげー美味しいんだ!」
「お腹は空いてるけど、そうじゃねえんだゾ!」
「空いてるんだ…」
ついさっき朝ご飯食べたばかりなのに。呆れるケイト先輩をよそにそうじゃないとグリムは首を振った。
「オレ様、知ってるかもしれないんだゾ!その魔法使うやつ!!」
「それ本当かい?!」
グリムは私が見ていなかった時の学食での出来事を話してくれた。デラックスメンチカツサンドを手に入れて、お金を払おうとしたときに突然話しかけられてミニあんぱんと交換しないかと持ちかけられたこと。当然そんな不公平な取り引きに嫌がってグリムは断ったが、何故か前足が勝手に動いて交換させられていたそうだ。
もしかしたらそのユニーク魔法士を使われて、パンを交換したのかもしれないとグリムはその時のことを思い出して腹立たしげに話した。
「そっかー…だからグリムはサバナクロー寮にお邪魔したときにブッチ先輩のデラックスメンチカツサンドって呼んだんだね」
「ブッチ……あぁ、二年のラギー・ブッチか。捕まえて話を聞きに行ってみよう」
「そうだね!…えーっと、ラギーくんの教室は……2年B組だね」
「B組は移動じゃないはずだから運が良ければ教室で会えるんじゃないか?ラギーは昼が一番忙しそうだが…朝は普通に授業を受けているはずだ」
「二人とも情報提供を感謝するよ。朝食を邪魔して悪かったね」
「おう。なんだかよくわからないけど、解決したなら良かったぜ!!」
「ありがとうございます。ジャミル先輩、カリム先輩!」
リドル先輩の後に続けて言うと相変わらず面倒ごとに巻き込まれているんだなというお言葉をジャミル先輩から貰った。…そんなに面倒ごとに巻き込まれて……はいるか。
自分が面倒ごとに巻き込まれないならいいというスタンスのジャミル先輩も割と自分から巻き込まれに行っているタイプではあると思うけれど。
頑張れと手を振ってくれたカリム先輩になんとなく元気付けられながら先輩たちの後を追った。