The end of the story 【ツイステ】
第12章 Confusionトゥルース!
「それで……仔犬、実験室での事故の詳細を聞きたいんだったな」
「あ、はい。……何か不審な動きをしている生徒はいませんでしたか?それか実験中の班分けで一定の寮が固まっていたりとか……」
「俺も複数のグループを見ているから全てを把握できているわけじゃないが」
それでもいいならとクルーウェル先生の話に耳を傾けた。
事故が起きた実験は少し匂いがキツイ魔法薬を作る授業で先生は鼻がきく獣人に配慮して、実験を行うグループと記録のグループに分けて行ったそうだ。
獣人の多いのはサバナクローが圧倒的だ。もちろん他の寮にもエースとデュース曰く獣人の人はいるらしいが。
「あとはそうだな……妙にサバナクローの駄犬がソワソワしていたな」
単純にマジフト大会が近くて浮ついているだけかも知れないけど、少し気になるな……。
だって
他の事故が起きた場所でもサバナクロー生は目撃されていたのだから。
***
一度怪しいと思うと他の聞き込み内容が妙に怪しくなっていった。私がもし犯人なら怪我をしたかどうか確かめてからその場を後にする。
「クルーウェル先生から話を聞いて、共通点があることに気づいたんです。それはどの現場にもサバナクロー寮の生徒がいたこと。もう一つは怪我をした生徒の中に一切被害がなかったのはサバナクローとティアソムニアなんです」
「怪我した生徒の寮か…盲点だったよ」
「ただ……サバナクロー生が怪しいのはわかっても犯人まで見つけられなくて……」
せめてその現場を見ることができたらとため息を吐いた。
「人を操る魔法かー、そんなのオレ様が使えたら学食のパン独り占めできるんだゾ!!」
「パンを独り占めって……もっとマシな使い方は思いつかないのかい?」
「でも、グリムらしい……」
うん?パン?
そういえば……
「ねぇ、グリム?」
「うん?なんなんだゾ?」
「学食のパンといえばさ。取られてなかったっけ、デラックスメンチカツサンド」
きょとんと目を丸くしていたグリムが徐々に目を見開いて、何かに思い当たったのか「あぁーー!!」という大きな声を食堂に響かせた。
グサグサと一気に向けられた視線に頬を引き攣らせ、咄嗟にグリムの口を塞いだ。これで相手に気取られたら犯人に逃げられちゃう。
グリムを抱えながらぺこりと頭を下げると少しずつ視線が霧散していくのを感じた。