The end of the story 【ツイステ】
第12章 Confusionトゥルース!
調べたものの中で今回の事件に関係ありそうだと絞っておいたものの中にこの操作系の魔法は存在した。身体を無理矢理操作するものと精神を操作する…ようは洗脳するものだ。
他にも風魔法で押したとか可能性はあったが、その場合とっくに気づかれているはずだ。二つの操作系魔法はどちらも難易度は高い魔法のようだが、洗脳系はほとんどの場合当時の記憶がすっぽり無くなったりするらしい。リドル先輩は落ちる瞬間のことを覚えていた。
事故の状況を考えて身体操作の魔法が一番近いように思う。それに先生から聞いた話によるとその魔法がユニーク魔法によるものなら可能性があった。
「!!よくわかったな。もしかしたら君にも魔法が使えるんじゃないか?」
「ジャミル先輩、私は魔力がないって闇の鏡に告げられた人間なんですよ?魔法は使えません。ジャミル先輩のおかげでおおよそ犯人には大方目星がつけられました」
「えっ!!本当?」
「クルーウェル先生に授業のことについて聞き込みをしたんです。授業中に怪我をした人もいたようなのでそれが気になっていて…」
調査の時に授業中に怪我をした先輩の話を聞いて、犯人は授業中でも自然に手を出すことができる人物…ならその犯人がサボりじゃない限りそのクラスで授業を受けていた人が怪しくなる。でも、その時間は他のクラスとの合同での授業があった。そう…クルーウェル先生が担当の二年生の魔法薬学の授業だ。
何十人といるクラスの中から地道に聞き込みをするのは難しいと判断して事故が起こったクルーウェル先生の授業で何があったのか聞きに行って、おおよその目安をつけられるようクラスの寮わけを確認した。そうすると…
***
こくりと温かいお茶で喉を潤して顔を上げるとクルーウェル先生がいたずらっぽく笑っていた。
「な、なんですか?先生」
「いや?この学園に似合わない可愛らしいpuppyが必死に頑張っているようだから微笑ましくなっただけだ」
「それって私が子どもっぽいってことですか?」
確かに同じ歳のリドル先輩やジャミル先輩たちと比べたらだいぶ幼いかもしれないけれど…顔立ちも含めて精神的にも幼いのは自覚している。でも…複雑な気分だ。
むすっとしているとクルーウェル先生は鼻を鳴らして笑われた。
学校生活が始まってしばらく経つが、NRCの先生らしく強かな人だと思う。