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The end of the story 【ツイステ】

第2章 encounterボーイズ





「い、いや。すまない、こちらも突然声をかけてしまったからね。それで君、さっきからキョロキョロしていたようだけど何か探し物かい?
確か君は入学式で学園には入れないと言われたと思ったけど、帰らなかったんだね」
「貴方は入学式でグリムに首輪つけた人ですよね」
「グリム……?入学式につけた首輪……確か乱入してきたモンスターのことだね。ところでいつまで座りこんでいるんだい?」

呆れた表情のまま手を差し出されて、ようやく自分が尻餅をついたまま会話を始めていたことに気づいた。慌てて差し出された手を握ると彼はそのまま引っ張り上げてくれた。
入学式の時は顔をよく見ていなかったけど、中性的で整った顔立ちをしていてどこか凛とした佇まいの男の子でこんな間抜けな姿を見せてしまったのが、少し恥ずかしくなる。


「その私、闇の鏡に帰る場所が見つからないって言われてしまって。結局学園長が雑用係としてこの学園に置いてくれることになったんです」
「ふうん。闇の鏡が…?そんなことあるんだね……と言うことはモンスターと一緒にいてハートの女王の石像を黒焦げにしたっていうのは君達か」
「へ、もう話が広まってるんですか?!」
「そこまで広がってはいない。耳が早いおしゃべりなうちの三年とそれから学園長からうちの寮生も関与したことを聞いてね……。全く……ボクの管理責任が問われてしまうじゃないか」


不満そうに顔を歪ませる彼に申し訳なくなった。あのエースって人と同じ寮なんだ……よく見てみれば彼の白衣の左側にはエースがつけていた腕章によく似た形のものがつけられている。
彼は赤い髪を揺らして溜息を吐いた。


「すみません。仲裁に入ったんですが……グリムが挑発に乗ってしまって…」
「うちの一年が先に声をかけてきたと聞いているよ。だからそこまで気にしなくていい。それより君は何か困っていることでもあるんじゃないかい?」

「……その。お恥ずかしいのですが……購買部ってどこにありますか?」
「購買?…君はメインストリートの掃除をしていたようだけどメインストリートから来たんじゃないのかい?」

「?えと掃除が終わってすぐに来たのでメインストリートから来ましたよ?」


質問の意味がよく分からなくてきょとんと彼の灰色の瞳を見ていると何故か不思議そうな顔で首を傾げている彼はまぁいいかと呟いた。



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