The end of the story 【ツイステ】
第12章 Confusionトゥルース!
「…それにしてもカリムくんとジャミルくんどこかな?今の時間ならいるかなと思ったんだけど」
ケイト先輩が食堂を見渡しながら首をひねる。確かにスカラビア寮の生徒は既に何人かいるのにも関わらず、二人の姿が見えない。
ジャミル先輩がいるんだし、遅刻はありえないと思うけど。
きょろきょろとあたりを見回していると丁度食堂の扉の方から入ってくる姿が見えて、あっと声を上げた。
「ん?どうしたの、ユウちゃん」
「カリム先輩とジャミル先輩が来たみたいです」
「ん?…あ、本当だ。って…ジャミルくん、なんか疲れてない?」
ケイト先輩の言う通りでジャミル先輩は妙に疲れた様子で食堂に入ってきた。それに対し、カリム先輩はニコニコなので何となく何があったのか察した。丁度食べ終わっていたから二人に駆け寄ると先にジャミル先輩が気づいた。
「おはようございます、ジャミル先輩。何だか疲れているみたいですけど、大丈夫ですか?」
「あぁ。怪我をしたせいでカリムが騒いで大変だったがな。俺の代わりに弁当を作ると言い出して…」
「それで来るのが遅かったんですね…」
「ジャミルの代わりに作ろうと思って、火の魔法を使ったら食材が燃えちまってな!いやーびっくりしたぜ!!」
「驚いたのはこっちだ。慌てて消火したら朝食用に用意したものまで燃えてなくなったんだからな」
想像していたよりずっと大惨事になっていて、乾いた笑いしか出てこない。この世界の料理の仕方に詳しくはないが…少なくとも火の魔法を使っての料理は明らかに違うのだろう。
朗らかなカリム先輩の隣では明らかに疲れている先輩が大きなため息をついた。お疲れ様です…ジャミル先輩。
「ケイトの言った通り、本当に怪我をしたんだな」
「そうみたい、だね。でも、想像していたより大怪我じゃなくて安心した」
手に包帯が巻かれていて利き手だからか動きにくそうではあるけれど、数日か一週間ほどで治りそう。安心してそっと胸を撫でろした。
「で、一体何のようなんだ?」
「ユウがこのメンバーと一緒にいるの珍しいな!いつもは顔にハートがあるやつとスペードのやつと一緒にいるのに」
「エースとデュース、ですか?二人ならフラミンゴの餌やり当番があるそうです」
ピンク色の服で……
こっそりと心の中で付け足す。