The end of the story 【ツイステ】
第12章 Confusionトゥルース!
前に見たときよりも翡翠の瞳を持つライオンとハイエナたちの影が色濃くなっている。どうやら彼らの企みが止まることはないようだ。
私はなぜかその光景を側で見ているだけ。やっぱり夢なのか触ろうとしても透けるし…こんなに動物たちがいるのに誰も私に気付いていない。
一体私は何を見せられているのだろうか…。
止めることもできずにニヤニヤと笑う彼らの算段を複雑に思いながら聞いていた。
あの幼いライオンとその父親を殺すという算段を…
成功を確信している彼らにもし私が何かを言ったところで変わるものでもないような気がしたが…それでも彼ら…特にライオンの彼がどうしてそこまで王というのにこだわるのだろうかと目を伏せた。
だって…わざわざ王様にならなくたって別の方法でも統治はできる。
殺さなくても…危害を加えなくてもいいのではないかと考えてしまう私はきっと甘いのだろうね。
「どうしてそこまでやるのかな…」
だって贅沢したいなら第二王子という身分でいくらでもできるちやほやされたいならその場所にずっととどまる必要はあるのかなんて思ってしまう。世界をひっくり返す…ね。
水を注ぎこんでも水が一瞬で枯れてしまう。そんな荒んだ目をしている彼をどうしてこんな目をするようになったのかと考え込んだ。
そんな私を一頭のライオンが見つめていたことには気づかなかった。
「スカー様?」
「……いや、なんでもない」