The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
「そうなのか。引き留めてしまってすまない…」
「あ、いえ。大丈夫そうなら私はそろそろいきますね。待たせてしまっているので」
「あぁ」
ぺこりと頭を下げると購買の方向へ急いで向かった。それにしても、さっきの先輩はこの学園の生徒とはちょっと違うような気がする。穏やかな笑みが私にそう思わせるのだろうか。
……シルバー先輩、か。
ディアスムニア寮の先輩といえば……食堂で会ったヴァンルージュ先輩が印象深いけれど、なんともカリム先輩と雰囲気が似ている人だったな。
活発なカリム先輩と穏やかな物腰のシルバー先輩。
全然違うはずなのに空気感が妙に覚えがあるというか。話してるだけで和んでしまった。
「って……もうこんな時間!購買に早く行かないとグリムに怒られる!!」
慌てて購買でツナ缶を買うと寮まで走って帰ったが、グリムにはやっぱり「遅いんだゾ!もうお腹ぺこぺこだ!」と怒られてしまうのだった。
***
ぱちりと目を開けると軋む体を起き上がらせる。
時間はまだ夜も更けたころ。
暗い部屋の中で手探りで部屋の壁に手をつける。
「変な時間で目が覚めちゃった……」
今日は色々歩き回ったり、走ったりで足を酷使したからかもしれない。
明日…筋肉痛で悲鳴をあげることになりそうだな。
しかし、こんな時間で起きてしまったら中々寝付けないや。……少し散歩してくるか。
「むにゃむにゃ……見たかー…オレ様のスーパープレイ!」
「ふふ、夢の中でもマジフトやってるの?」
背後から聞こえる寝言を聞きながらそっと部屋のドアへと向かう。結構ギシギシと鳴るからゆっくりとグリムを起こさないように気をつけ、廊下でホッと息をついた。
……あれ?
ふと窓を見るとオンボロ寮の前に誰かがいた。
暗いから顔はよく見えないけど、背が高い……少なくとも会ったことはなさそう。
外へ出てみるとやっぱり知らない人だ。初めて見た頭にツノがある人。獣の耳があるくらいだからいてもおかしくないのかもしれない。
制服を着ているからここの生徒なのは確かだけど、すごく大人っぽい人だ。それに……なんだか…近寄りがたい、ような。
「…?…そこにいるのは誰だ?」
「!!あ、えっと」
「これは驚いた。お前、人の子か」
黄緑色のベストと腕章。ディアソムニア寮の生徒か……。
シルバー先輩に続けて同じ寮の人に会うとは。