The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
購買に向かう途中にある木に身を預けて眠っている生徒にぎょっとした。見間違いかと思ったけど、そうじゃなさそうだ。
サラサラな銀糸のような髪が風で揺れていて、すやすやと寝息を立てて眠っている生徒の周りにはリスや小鳥などの小動物が集っている。り、リアルお姫様??
困惑して近くに生徒がいないかと探してみるけど、ちょっと近くにはいなそうだ。まぁ、今それなりに遅い時間だから仕方ないのだけど。そろそろ戻らないとグリムがお腹を空かせて待っているのに…うう…流石にこの肌寒い中、ずっとここにいたら風邪をひいてしまうよね…。
「はぁ…仕方ない、か」
少し悩んで近づくと私に気付いた動物たちはどこかに消えてしまった。えっと、黄緑色のベスト…だからディアソムニア寮の生徒か。
どうにか起きていただけないものか…抱えて寮に行こうにも力のないこの貧弱な腕じゃ到底無理だろうし。
「すみません、もう放課後ですよ」
「……」
とんとんと肩を叩いて起こそうとするが、反応はない。こんな気持ち良さそうに眠っていると起こしづらいのだけど…。
「…起きてください!!こんなところで寝ていたら風邪を引いてしまいますよ!!」
「…ん」
ゆらゆらと肩を優しく揺らすとふと薄っすら目を開けているのに気づいた。わ、綺麗な人だと思ったけど…瞼から覗いた瞳が綺麗で思わず目を瞬かせる。
「あ、あの…」
「…ふわぁ」
「もう放課後なのでここで寝ていたら風邪をひいてしまいますよ…?」
「あぁ…すまない…つい眠ってしまったんだ。驚いただろう?」
「驚きはしましたが…ちょっと放っておけなくて」
「優しいな。…今度お礼をさせてくれ。俺はディアソムニア寮の二年のシルバーだ」
シルバー先輩…苗字はわからないけど、シルバー…銀。
そのままではあるけれど、名は体を表すってこのことだ。カリム先輩も日に透かすと銀色に見える白髪だけど、シルバー先輩は薄暗い中でもはっきりとわかる銀色だ。
「先輩だったんですね!私は一年の柊木 ユウです。気持ちはありがたいですが…少し気になっただけですから。私は購買に用があるので一緒に寮まではいけないんですが…」
大丈夫かな…?ぼーっとしててまた寝てしまわないか心配だ。