The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
追い出すような言葉で少し厳しい。でも、寮の鏡をくぐる瞬間に見えたジャックの顔は何とも言えない複雑な顔をしていた。
?やっぱり…ジャックは何かを知ってる。
でも、何かが原因で私たちには言えないのか?その内容が私たちが調べている事件のことだから??
もう少し調べてみようか
「……」
***
鏡舎でみんなと一度別れると購買に寄る前に校舎へ向かう。少し気になることがあったのだ。
「えーっと、あった。デイヴィス・クルーウェル…名前合ってるけど、入ってもいいのかな」
校舎の一角にある職員室棟。ここに先生方が研究と業務をこなすための研究室が連なっている。
学園長や先生に頼まれて雑用で何度か来てはいるけれど、部屋に入るのは初めてだ。放課後だというのもあるけれど、生徒はほとんど見かけない。
恐る恐るドアをノックしようとして近づくとその前にドアが動いてびくりと飛び上がった。
「なんだ、子犬か。今の仕草は子猫にも見えたがな」
「く、クルーウェル先生…」
クルーウェル先生がニヤリと笑って部屋から顔を出した。自身のクラスの担当教師ともあって何度も顔を見ているけど、本当に綺麗な人だよなぁ。いつもと違う近い距離で改めてみると妙な色気でくらりときて、そっと目線を逸らすがそれに気づいた先生はクツクツと笑う声が聞えてきた。
「俺に見惚れたのか?子犬」
「…すみません、先生って凄く綺麗だから」
「ふっ。お前は素直だな…ここの生徒は生意気な駄犬どもが多いというのに。それで俺に何か用事があるのだろう?また学園長からのお使いか?」
「そう、ですね」
学園長に頼まれてやっている調査なのだから間違いではないか。
身近な先輩も怪我をして改めて調査していたら学園長から頼まれたってこと忘れそうになっていた。
「ほら、そこにずっと立ってないで中に入れ」
「え、でも…」
「長くなりそうだからな。俺が茶を入れてやる」
クルーウェルは深刻そうな顔をしている生徒を前に追い返すほど根は悪くない。一体何を淹れてやろうかと魔法でティーポットに水を注ぎこんだ。
そうだ、サムのところで取り寄せた紅茶があったな。
一人で楽しもうと思っていたが、これを使うか。少しはその悩みが今は吹き飛ぶようにと。
存外クルーウェルは目の前の心優しい生徒を気に入っているのだ。