The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
「おいジャック!てめー、1年のくせに生意気だぞ!」
「…あんたらこそ、これが上級生のやることなんっすか?」
「あんだとぉ!?お前もやられたいんかよ!」
ジャックくんは冷静に言い返しているけど、今のその先輩の言葉が気になった。お前、も…?
単純に今の私たちがやられている状況とも思えるが、それだけではないような…。
「じゃぁ…それなら…事件の犯人は……」
グリムを腕に抱えたまま、ぐるぐると思考が回る。魔法の目星と犯人。それから協力者。先輩の言葉で腑に落ちて納得した。
不思議そうに首を傾げるグリムが突然無言になってしまった私にどうしたのかと名前を呼ぶ声に気が付いて顔を上げるとサバナクローの寮長レオナの翠色の瞳と目があった。
すぐに逸らされたけど、なんだろう…そう。例えるなら砂漠。水をあげても足りなくて過酷な砂漠。乾いた空虚の瞳だ。
何があってあんな目をするようになったのか。私には関係ないはずだけど、気になった。
「ったく。一年坊は、威勢がいいな。まぁいい…もう飽きた。こいつらを相手にしたってなんの意味もないからな。おい、ラギー。戻るぞ」
「ウィーッス」
「てめーら。今度縄ばりに入ったらただじゃおかねぇからな!レオナ寮長の温情に感謝するんだな!」
温情…ねぇ。プレッシャーを感じる相手がいなくなったから力が抜けた。グリムのお腹の毛をもふもふと触りながらその場に座り込む。途中でやめろとグリムに逃げ出されてしまったけれど。
…もふもふ。エースたちの後ろに隠れるように逃げてしまってしょんぼりと肩を落とす。あまりにも残念そうだったのかジャックが少し微妙な表情を見せていた。
「 ユウちゃん。怪我はない?さっき魔法が当たりそうになって、オレ心臓が止まりそうだったよ!君は相変わらず無茶するねぇ」
「…つい、グリムが危ないと思ったら」
「前にオレのこと庇ったときも思ったけど、ほんとお前無茶しすぎだからな!!」
それは記憶に新しいオーバーブロットの時のことかな。自覚はあるのでエースの怒った声を大人しく受け止めた。申し訳ないとは思うけど、考えるよりも体が出てしまって…。
「全く、少しは自分のこと大事にしてくれるようになったと思ったのに全然じゃん!」
「う、ごめん。エース」