The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
それ、が…グリムの方向に。
いくらグリムでも……あの炎は避け切れない。
グリムに当たったら…ダメだ。あれが当たったら……?
炎を認識してすぐに私の足はいつにないくらい速く動いていて、グリムを隠すように覆うかぶさった。火の熱さが伝わってきても不思議と恐怖感は感じなかった。あるのはグリムが怪我をしなくて済むという安心感だけ。
ひゅっと息を呑む声がエースたちから聞こえてきた。
しかし、いつになっても痛みと熱は襲ってこない…というよりも熱自体消えてる??
恐る恐る目を開けると炎は消えていて…ってグリムは??!
慌ててグリムに目を落とすと何故だか怖い顔をしていた。
あぁ…でも、よかった。
「グリム、怪我はない?」
安心した笑みはなぜか今にも壊れてしまいそうだとエースは思った。
何かが壊れるのを必死で繋ぎとめようとしているような。そんな脆さと温かさを含んだ笑みだ。
「平気だけど…なんでオレ様のこと庇ったんだゾ??!!オレ様は魔法が使えるからあれくらいの魔法なら…」
「……何やってんスか?あんたら」
「!…ジャック……」
「なんだ、ジャックくんじゃないっスか」
「初心者いたぶって何が楽しいんスか。それに今の魔法…先輩、魔法の使えない相手に打ち込むのはちょっとおかしいんじゃないっスか?」
ぎろりと魔法を打ってきたサバナクロー寮生をジャックは睨みつけた。睨みつけられた先輩はびくりと肩が跳ねた。
「い、いや。オレは…そいつに打ったんじゃなくて…」
「そうだったとしても当たりそうになったのは事実じゃないスか」
「…そ、それは」
「ジャックくん、正義のヒーローみたいっすねぇ?シシシッ!」
「俺はただみっともなくて見ていられねぇってだけっすよ。レオナ先輩方もです。あいつらあんな状態なのにまだ試合を続ける気ですか?」
「……はっ、しらけること言うぜ」
何が起こっているのか分からずに目をぱちぱちと瞬かせている間にも話は進んでいく。ジャックくん、凄いな…先輩、しかも寮長に対しても意思を曲げなくて真っすぐでこういうところ…この間のオーバーブロット事件の時のエースやデュースと似ている。