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The end of the story 【ツイステ】

第11章 Reconciliationドリーム!




まるで曲芸じみた動きに呆気にとられるが、慌てて追いかける。

「ちっ!なんて身軽なんだよ!」
「流石は獣人族の生徒だよね。身体能力が高いよ」

ケイト先輩はその身体能力を知っていたからかあまり驚いてなかったが、苦笑いをしながらぼやいた。どうにかディスクを取り返そうと攻めに行くが、思ったより守りが固い。

「あいつら思ったよりやるっスねぇ」
「あぁ。思ったよりは、だが」
「じゃあ、そろそろ入れてやるっスか?」
「あーそうだなァ」

レオナはラギーが奪ったディスクを受け取るとふわりと浮かせて、一気にゴールまで叩き込んだ。

「なっ!!ロングシュート?!」
「何あれ!スーパープレイじゃん!」
「遊んでやってることにも気づかなかったんスね。お間抜けさん?」
「ふん。もうワンプレイと行こうじゃないか」

ニヤニヤと笑うのが見えるが、凄すぎて言葉が出ない。

「すごい…これがマジフト…」
「あはは…流石はレオナくんだなぁ」

ディスクがゴールに運ばれる様子を私たちは呆然と見つめることしかできなかった。なんだあれ、ズルいと漏らすグリムの声に頷く。
ケイト先輩の乾いた笑い声とサバナクローの寮長さんを憧れの目で見つめている寮生たちが妙に印象に残った。

***

「ひぃ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…うっそだろ…一点も入れらんねぇ」

あれからどうにか点を取り戻そうとしてもまずディスクを奪い取れない。鉄壁の守りで近づこうに近づけずその間に点を入れられる。わざと体力を削らせ、心を折ることを目的したものだったのだろう。

「はぁ…レオナくん、昔から天才司令塔って言われてただけあるね。…ちょっとこのメンツじゃ太刀打ちできないわ…」
「おら、どうした?もう終わりか?」
「おやぁ?さっきの威勢の良さはどこに行ったんすかねぇ?」
「ほら、立てよ。もっと遊ぼうぜ?」

ボロボロの状態なのにもう一回戦しようとする相手に目の前が真っ赤になった。体が震える…迷惑をかけられることも多いけど大事な友達と先輩を傷つけられていて、黙っているなんて…。
爪が手のひらに食い込む痛みで冷静になれた。

「ううう…もう黙っていることなんてできないんだゾ!!」
「…!!」
「まだやるつもりかよ!…オラァッ!!」

火だ…真っ赤に燃える火。
ぶわりと広がる炎の熱気が少し離れた私にまで伝わってきた。
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