The end of the story 【ツイステ】
第11章 Reconciliationドリーム!
「話はまだ終わってねぇぞ?」
「…いたっ」
「監督生ちゃん!」
「くっ!お前たち、ユウの腕を離せ!!」
びりッと走る鋭い痛み。みんな普段どれだけ優しくして私の手を引っ張ってくれているのかこんな時にわかった。
逃げようともがくと更にその力が強まる。
痛みに耐えられなくて生理的な涙がぽろりと頬を伝った。
「うわっ!男のくせに泣き始めたぞ!
だっせー!!」
「!!!子分の腕を離せっ!」
グリムが飛び乗ってサバナクロー寮生に飛びつくが、あっさりとかわされる。
やばい、どっちも頭に血が上ってる。
私が何を言っても悪化する未来しか見えないや。
「うう゛~~ふな゛っ~~!」
「っと!何すんだよ!危うく火傷するとこだったじゃねぇか!」
「グリム、助けてくれるのは嬉しいけどだめだよ!校則にもあるし、私のせいでグリムが手を汚す必要なんてないよ!」
「オマエ…でもっ…」
これは私が逃げ遅れたのがいけないから。何とか自力で抜け出そうとするが、全く離れる気配はない。
少しは手加減してよと心の中で悪態をついているとサバナクロー寮生の後ろから誰かの声が聞えた。
「___それ以上はやめとけ。お前ら」
その聞き覚えのある声に寮の方を覗いてみると気怠い様子で歩いてくるのは植物園であった獣人さん。魔力の匂いがしないだとか、変なことを言って至近距離で匂いを嗅いできた怖い変態さんじゃないか!
「レオナ寮長!」
「こいつら人の縄張りに土足で踏み込んだんですよぉ?逃がせっていうんですかァ?」
「あの人がこの寮の寮長……」
「え、なに?もしかして知らなかったの?お前」
「うん。そもそも入学式の時なんかみんなフードつけてるんだからまともに顔なんて見えないよ」
「…それもそうだな」
「なに?そんなに有名なの?あの寮長さん」
確かにオーラは感じるけれど。上から目線なのが、常って感じで…まぁ寮長であることも関わっているのだろうけど。
「有名、じゃないか?オレはあの人と別の国の出身だからそこまで詳しくは知らないけど」
「ん?そこの狸と一年生たち、この前食堂で会った人じゃないっスか」
え、会ったっけ。記憶に残ってなくて首を傾げるとグリムがあーー!!と突然大きな声を上げてびくりと飛び上がった。
一体なに??!!
「オマエは…デラックスメンチカツサンド!!」
